復刻ユニの赤ヘル軍団が価値あるドロー

 8回、右前適時打を放つ松山(撮影・市尻達拡)
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 「広島2‐2阪神」(24日、マツダ)

 広島は八回、松山竜平外野手(26)が意地の同点打を放ち、延長十回、価値あるドローに持ち込んだ。野村謙二郎監督(45)も劣勢を追い付いた執念を高く評価。1975年初優勝時の伝説ユニホームをまとった赤ヘル戦士は、4位・ヤクルトと3・5ゲーム差に広げ、CS進出に前進した。

 伝説ユニホームを着て負けるわけにはいかない。帽子、ヘルメットの色を紺色から闘志あふれる赤に変え、リーグ初優勝を飾った75年。その復刻版をまとった「赤ヘル軍団」が劣勢から死力で追い付いた。

 1‐2の八回、先頭・菊池が安打したのをきっかけに2死二塁と攻め、5番・松山が意地を見せた。メッセンジャーの初球、高めスライダーを逃さず一振り、右前へ運んだ。快足・菊池が手をたたき、同点のホームに駆け込んだ。

 「1、2打席目が振れてなかった。こりゃいけんと思って3打席目から思い切って振った。最後(4打席目)にタイムリーが出たのは大きい。(復刻ユニホームで)いいところをファンに見せたかったし、良かった」。

 21日のDeNA戦(マツダ)では初の4番に座ったが、好機でことごとく凡退した。前日はDeNAに勝利したが、初回の敵失でもらった2点のみ。野村監督が「丸、松山、天谷もっと打って」と奮起を促していたことを新聞報道で知った松山は「きょうダメなら落ちる。死にモノ狂いだった」と、危機感をバネに変えた。野村監督も「ギリギリのところで1本打った。あすもその気持ちで」と評価した。

 最後は勝ち切れず、今季延長戦は3敗7分けとまた白星がない。「何とも言えない。頑張ったと言えば、頑張ったけど、勝てたと言えば勝てた」と指揮官。九回には1死二塁とサヨナラ機もあったが、天谷は左飛。迎は三振に倒れた。

 それでも、1‐0の五回に失策絡みで逆転を許す苦しい展開を、負けなかったことは価値がある。野村監督は「(苦手の)メッセンジャーから安打も打って、色んな攻撃ができた」と打線の上向きに手応えだ。

 4位・ヤクルトとは3・5ゲーム差に広がり、また一歩、Aクラス入りへ前進した。「チームとしては勝つ意欲を持って戦った。切り替えてまたあした」。伝説の75年の勢いも借り25日こそ、赤ヘルが勝ち切る。

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