巨人・マルティネス 史上最年少&史上最速250S 育成初&助っ人史上2人目名球会「ドラゴンズの皆さんがいなければこういう記録は達成できなかった」

 「巨人5-3中日」(10日、東京ドーム)

 巨人のライデル・マルティネス投手(29)が10日、中日23回戦(東京ドーム)で今季38セーブ目を挙げ、史上6人目、外国人投手では初めて通算250セーブを達成。史上最年少となる29歳10カ月、史上最速となる411試合での到達となった。名球会入りの資格を得た初の育成出身選手で、外国人選手では2013年に通算2000安打を記録したアレックス・ラミレス以来2人目となった。チームは連勝し、首位阪神に1・5ゲーム差に迫った。

 古巣への思いがこみ上げる。マルティネスは言葉を詰まらせ、目頭を熱くした。「もう本当に感謝の気持ちでいっぱい。ドラゴンズの皆さんがいなければ、こういう記録は達成できなかった」。これまでの日々がよみがえり、その声は震える。史上6人目、感謝と恩返しの250セーブだ。

 仲間が八回に勝ち越しに成功し、作ってくれた偉業への道だ。「できれば、中日相手には達成したくない」と本音は胸にしまい石川昂、花田、岡林をわずか5球で打ち取った。杉内、内海投手コーチから記念ボード、花束が贈られ、かつての仲間だった中日ナインからも手を振って祝われた。

 「抑えが嫌だなと思ったことは1回もない」。一切の迷いはない。あるのは覚悟だけだ。九回のマウンドへ、試合を締めくくるためだけに何度も上がってきた。重圧と隣り合わせの居場所。「抑えをやっている時のあの感覚。アドレナリンも出るし、あの興奮は本当に大好きだよ」と笑う。不安よりも、上回る自信。どんな状況下でも最後は自分自身を信じた。

 育成入団初の名球会入りに、29歳10カ月はNPB史上最年少での到達だ。ジャパニーズドリームをつかむまでの日々を支え、輝きを与えた2人の恩師がいる。マルティネスにとって「人生を変えてもらった」と感謝の尽きない原点。分岐点となった2年間の記憶は今も鮮明に覚えている。

 1年目を終え、母国で過ごしたオフには第1回U-23パンアメリカン野球選手権大会のキューバ代表などで守護神を経験。冬に引き出しを増やし、日本に戻った。まだ、自分が何者なのかを探していた2018年の春。ブルペンで練習をしていた時のことだ。当時の森繁和監督から声をかけられた。「もっと自分のボールに自信を持ちなさい」。課題だった制球面に自信を与え、後に武器となるスプリットの習得へも背中を押された。

 2019年には当時の与田剛監督から守護神に抜てきされた。交流戦後のリーグ戦再開前に「これからは君がクローザーだよ。これまで通りに自分に自信を持って、自分を信じてやりなさい。そうすれば大丈夫」と力をもらったことが偉業への始まり。「自信を持てるような投手になれたきっかけ」とうなずいた。

 2人の恩師からもらったものは決して居場所だけではない。自分ならできる-という心だ。次なる目標は「チャンピオン」と言い切る。輝きを増す九回の場所で、マルティネスはまたその右腕を振る。

 ◆ライデル・マルティネス(Raidel Martinez)1996年10月11日生まれ、29歳。キューバ出身。193センチ、93キロ。右投げ左打ち。投手。17年に中日と育成契約。18年4月に支配下登録を勝ち取ると同年5月6日・阪神戦でNPB初登板初先発で敗戦投手。19年6月11日・オリックス戦でNPB初セーブ。22年に56試合で39セーブを挙げて最多セーブ。24年は自己最多の60試合登板。24年12月に巨人移籍。獲得タイトルは最多セーブ3回(22、24~25年)。17、23年WBCキューバ代表。

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