天理・永井 甲子園2度出場した兄超えの夢は続く まだ2年生「戻ってきて日本一になりたい」
「全国高校野球選手権・準決勝、天理0-1健大高崎」(20日、甲子園球場)
グラウンドを出るのは一番最後と決めている。天理・永井仁之丞外野手(2年)が入学してから、ずっと続けてきたことだ。小さな体で兄と同じ舞台に立ち、兄を追い越すために必要なことだと自分に言い聞かせていた。
「誰にも負けない気持ちを見せるために。練習が終わってからも、最後の1人になるまで残っています」
1点を追う九回、2死二塁で打席が回ってきた。打球は一、二塁間に転がり一塁手との競争。アウトになれば試合は終わる。無我夢中でヘッドスライディング。ビデオ検証の結果、伸ばした指先がわずか先にベースに届いていた。そこからチャンスが広がって2死満塁になったが、最後の打者のバットは空を切った。
野球をやるようになったのは5歳上の兄大飛さんが格好良かったから。兄は天理で2度甲子園に出場し春は1回戦、夏は2回戦で敗退。「兄の成績を超える」ことを目指して同じ道に進んだ。奈良の出身だが、他の部員とともに親元を離れて寮で暮らしている。
「苦しいことも、うまくいかないこともありましたが、甲子園で勝つために練習をしてきました。3年生と一緒に決勝まで戦いたかったです」
泥だらけの頬に涙がつたう。震える声で絞り出した言葉があった。
「また戻ってきて、日本一になりたいです」
兄弟で追い続ける夢は、まだ続きがある。
◆永井仁之丞(ながい・じんのすけ)2009年9月28日生まれ。奈良県出身。兄に憧れて5歳から野球を始める。中学時代は五條リトルシニアに所属し、中3で全国大会ベスト8。天理では1年秋からメンバー入り。左投げ左打ち。170センチ、67キロ。
