巨人・小笠原 古巣斬り6回0封 NPB709日ぶり1勝 プロ初勝利の球場で感謝の87球
「巨人6-1中日」(19日、東京ドーム)
何度も起こるブーイングをかき消すように、巨人ファンから大声援が注がれた。異様な空気に包まれた東京ドームで、小笠原が腕を振る。「久しぶりに大きな歓声を聞きながら投げたのでうれしい。ちゃんと期待に応えなきゃなという気持ちでした」。感謝の6回3安打無失点。国内復帰後初勝利で再出発した。
「全て想定内として動いてマウンドになるべく平常心で上がれるように」。いきなり古巣との激突だっただけに、心の準備はしていた。何もないわけはない-。先発発表から何度も浴びたブーイングにも心だけは冷静に、目の前のアウトだけを貪欲に求めていった。
三回まで無安打投球。五回には無死一、三塁のピンチを背負い、この日一番の緊張感が体を伝った。1死後、辻本の一直をダルベックが好捕して併殺を完成させる。雄たけびを上げ、拳をグッと握る。もり立てた野手陣にも感謝の1勝だ。
夢を追うと決めた。25年にメジャー挑戦も現実は厳しかった。異国で暮らす日々。グラウンドに足を踏み入れるたびに孤独を感じた。それでも「ジャッジはこんなに大きいし、ストライクゾーンが人の2倍くらいある」と瞳を輝かせて振り返るほどの世界でもがいた。
マイナーリーグ時代は試合の前後に出る食事以外は常備してあるプロテインやヨーグルト、バナナを食べた。「好き嫌いを言っている場合じゃない」。自分で選んだ道だ。後悔はない。最後まで挑戦を続け、求められた日本に戦う場所を移しても前を向く。
「あんまり実感がない。チームに迷惑をかけなかったのでよかった」。日本球界709日ぶり勝利。2016年にプロ初勝利を挙げた始まりの場所から、また歩み始める。
