広陵 4年連続夏の甲子園へ20得点発進 部内暴力発端の騒動で昨夏は途中辞退 5打点の曽根主将「日本一を目指して戦う」
「高校野球広島大会・2回戦、広陵20-0広島観音」(11日、電光石火きんさいスタジアム三次)
2回戦11試合が行われた。部内暴力に端を発した騒動により昨夏の甲子園を途中辞退した広陵は、広島観音を20-0の五回コールドで破り初戦突破した。主将の曽根丈一郎内野手(3年)は3ランを含む3安打5打点の活躍。大量点を奪っても、次の1点を貪欲に狙いにいく姿勢は、今チームを象徴するスタイルだ。学校史上2度目となる4年連続夏の甲子園へ、上々のスタートを決めた。
夏空に描いた力強い放物線だった。一塁を回ると、曽根主将は拳を青空に突き上げる。チームの勢いをさらに加速させる、高校通算10号3ラン。「低い打球でつなぐ意識だった。自分のスイングができた結果」。額の汗をぬぐいながら、白い歯を見せた。
二回に4得点。さらに3点を加えて迎えた三回2死二、三塁で内角直球を振り抜いた。自身は二回に中前適時打を放ち、四回は右前へ運んでいた。主将自ら3安打5打点の活躍で打線をけん引し、チームの16安打20得点の猛打を呼び込んだ。
次の1点を貪欲に狙い、相手の隙を見逃さないのがチーム最大の武器。「大量得点の後だからこそ、次の1点の積み重ねを大事にした」。果敢に次の塁を陥れる姿に、広陵の強さが垣間見えた。
昨夏の甲子園は、1回戦勝利後に部員による暴力事案を巡る騒動で大会を辞退した。新チームで任された主将。大役にも迷いはなかった。「自分たちの力を証明しようというのは、チームの中でもありました。それは自分でも一番強く思っていることです」。当時の思いを振り返った。
松本健吾監督(35)の下で戦った昨秋の中国大会は、1回戦で高川学園(山口)に敗戦。今春の広島大会は、準々決勝で呉港に敗れた。「勝ちきれないのが、自分たちの弱さだった」。敗戦後、ミーティングの形を変えた。ベンチ外の部員が持つ視点も取り入れ、選手間でこれまで以上に多くのコミュニケーションを図った。打席での工夫や相手の配球など、多くの情報を共有。悔しさを糧にたくましさを増した広陵の結束力は、夏を前に一段と強固になった。
6月には、中井哲之元監督(64)が学園理事と参与職を辞任した。曽根主将は「自分ができることは、全力で取り組むということ。監督が変わっても、自分たちのやることは変わらない。3年間やってきたことを続けて、それで勝つ。チーム全体としてもそうですし、自分もそういう考えです」。学校史上2度目となる大会4連覇へ、突き進む決意だ。
124人、全部員の声と力を集結させて戦う今夏。「甲子園へもう一度行って自分たちの野球をするのが目標だし、日本一を目指して戦う」。力強い言葉だった。主将の背中が、一段と大きく見えた。
