阪神・近本 おかえり76日ぶり1軍!「1番・中堅」フル出場 復帰後初安打がサヨナラ起点「たくさんの声援がすごく力に」

 「阪神2-1ヤクルト」(11日、甲子園球場)

 チカおかえり!阪神・近本光司外野手(31)が昇格し「1番・中堅」で先発出場。広島戦(甲子園)で死球を受けて左手首を骨折した4月26日以来76日ぶりの1軍出場を果たした。同点の九回、1死から中前打で出塁すると、森下の左前打に適時失策が絡み生還。サヨナラ勝ちでチームは首位を守り、虎のリードオフマンの帰還を劇的に祝った。

 この瞬間を、みんなが待っていた。万雷の歓声が渦巻く中、近本が両手を広げてホームイン。仲間と抱擁を交わし、歓喜のフィナーレに笑顔で加わった。復帰後初安打がサヨナラの起点。「勝つことができて良かったです」。熱気が充満するグラウンドで、格別の喜びをかみしめた。

 寄せられた期待に応えた。九回1死で「出塁することを意識して」とリランソから中前打。カウント3-1からの外角153キロに鋭く反応して、近本らしくキレイにはじき返した。その後、二進して森下の左前打で三塁へ。相手守備が手間取るのを見ると、一気に加速度を上げて生還した。

 4月26日・広島戦で左手首を骨折。76日ぶりの1軍出場に虎党は期待を膨らませた。スタメン発表で名前がコールされると大歓声。試合前の円陣では声出し役を担い、スタメン発表からプレーボールまでの時間には自身の登場曲であるC&Kの「ドラマ」が流れる演出もあった。

 ただ、それは序章。初回の打席では割れんばかりの拍手を背に受けた。誰もが熱視線を注いだ1打席目は初球から打って一ゴロ。3打席凡退も、終盤に快音を響かせて役者の違いを示した。

 離脱前はバットのヘッドを投手側に傾けて構えていたが、この日は左耳の横にバットを置く形で対峙(たいじ)。「たくさんのファンの声援がすごく力になるなと思いました」と約4万人の後押しに感謝した。そして近本にはもう一つ、感謝を伝える存在がある。

 リハビリ期間中、母校の社高校が千羽鶴を寄贈した。同校で文化祭が開催された際に在校生、保護者が「一日も早い復帰を」と心を込め、作り上げた。近本本人からは「千羽鶴、ありがとうございます。ロッカーに飾ります」のメッセージが届いたという。地道なリハビリの過程。後輩たちからの温かいエールが、大きな力になった。

 藤川監督も「戻ってきて分かる、素晴らしい選手ですね」とその存在の大きさに最敬礼した。「やっぱり1軍の野球の面白さというのが、あったんじゃないかなと。感慨深いものもありますが2カ月半、離れている間にチームが戦っていた。また僕もその役割にしっかり貢献できるように」と近本。唯一無二の輝きで虎を勝利へといざなう。

 【近本、1軍復帰までの経過】

 4月26日 広島戦(甲子園)の第4打席で左手首に死球を受け途中交代。兵庫県内の病院で検査の結果、左手首骨折と診断される。

 5月1日 SGLでリハビリを開始。

 6月17日 SGLのサブグラウンドでウオーキングや軽めのダッシュ。

 同26日 SGLで報道陣に取材対応。すでに室内での打撃練習を再開させるなど復帰へ順調な様子。

 同30日 屋外でのフリー打撃を再開。

 7月1日 故障後初の実戦形式でのシート打撃。計5打席で1安打。

 同3日 ファーム残留練習で、2度目のシート打撃。

 同7日 2軍公式戦・広島戦で実戦復帰。3打席に立ち無安打も打撃感覚を確認。

 同8日 同広島戦に出場して4打数無安打。

 同10日 同オリックス戦で五回に中前打を放つなど3打数1安打。

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