中日・根尾がプロ初勝利 8年目&投手転向4年、遊撃から外野も経験など紆余曲折の末「最高の気分です!」
「DeNA4-6中日」(8日、横浜スタジアム)
5時間に迫る試合の先に待っていたのは、竜党が待ち焦がれた瞬間だった。耐え忍んだ8年間がようやく報われた。中日・根尾が勝った。「みんなが付けてくれた白星。最高の気分です!」。試合後、井上監督と記念写真に納まった背番号30の右手には、ウイニングボールが固く握られていた。
8回に同点とされ、緊迫した展開が続く10回から6番手として登板。普段通りにマウンドで大きく手を広げると、鋭い眼光を打者に送る。先頭・蝦名を外角低めスライダーで空振り三振。続く石上を内角スライダーで遊飛に打ち取ると、最後は大阪桐蔭高の後輩・松尾をフルカウントから低めのスライダーで空振り三振。1回を完全投球でチームに流れを引き寄せると、味方が十一回の攻撃で2点を勝ち越す。勝利投手の権利は守護神・松山が守り切った。
試合後のヒーローインタビュー。「たくさんの監督さんや周りの方のおかげ」と感謝を口に。ウイニングボールは「実家に送ります」と答えた。
大阪桐蔭時代に甲子園で3度の全国制覇を成し遂げ、鳴り物入りで飛び込んだプロの世界。何度も壁にぶつかった。ポジションも遊撃から外野、そして投手へ。「悔しさしかない」。かつての甲子園のスターは唇をかみしめていた。
もがいて
だが、困難に直面しても逃げずに正面からぶつかるのが、根尾の強さ。制球難に陥ったとき、1日300球以上を連日投げ込んだ日もある。もがき、前に進み続けたから、今がある。
根尾に初勝利の余韻はなかった。「またきょうみたいな場面で投げて、抑えられるように」。根尾が描く物語は、まだ序章に過ぎない。
◆根尾 昂(ねお・あきら)2000年4月19日生まれ、岐阜県出身。177センチ、85キロ。右投げ左打ち。大阪桐蔭では甲子園に2年春から4大会連続出場。2年春、3年春夏に優勝を飾った。18年度ドラフト1位で、内野手として中日入団(巨人、日本ハム、ヤクルトと4球団競合)。22年に投手へ転向した。
