巨人・長野久義が引退 常に笑顔で礼儀正しい誰からも愛された名選手 驚かされた気配り2008年ドラフト
巨人は14日、長野久義外野手(40)が今季限りで現役を引退することを発表した。都内のホテルで行われた引退会見では、周囲への感謝を伝えながらも“長野節”で会場内には笑いが起きる一幕も。最後はサプライズゲストで選手、スタッフら計53人が駆けつける本人も驚く異例の展開。涙は一切なく、誰からも愛された長野らしく、笑いと温かさに包まれた引退会見となった。
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初めて取材したのはロッテ担当だった2008年。巨人入団を熱望しながらロッテがドラフト2巡目指名。それから埼玉・狭山市のホンダの練習場へ通い続けた。どんな男だろうか-。ただ、そこで出会ったのは常に笑顔で礼儀正しい23歳の青年だった。
これまでも数多くの記者と会ってきただろう。それでも長野はロッテ担当の面々の名刺を丁寧に受け取り、次の日には「○○さん、こんにちは」と名前を呼んであいさつする。一人一人の名前を覚えたのか…。その気配りに、まず驚かされた。
ただ、ある時は前を通った長野からアルコールの残り香が漂っていたことも。聞けば、前夜はかなり深酒をしたという。「飲まなければやってられないですよ」。指名球団への感謝、一日も早くプロ入りしたい焦り、巨人への思い-。笑顔の裏で苦悩する等身大の長野の言葉が胸に刺さった。
彼には何とか幸せなプロ人生を歩んでほしい-。そんな心配は杞憂(きゆう)に終わる。全力のプレーと人間性で雑音を大歓声に塗り替えた。引退会見での「すごく最高の野球人生でした」という言葉には、こちらも救われた思いだ。
昨年12月、巨人担当復帰を告げると「最高ですね!」と変わらぬ温かさで迎えてくれた。誰からも愛された名選手。その始まりと終わりに携われたのも記者冥利(みょうり)に尽きるというもの。チョーさん、16年間お疲れさまでした。そして、ありがとう。(デイリースポーツ巨人担当・中田康博)





