ヤクルト・村上 ラスト神宮惜別タイムリー 最終打席はフルスイング中飛「声援がいつも背中押してくれた」米移籍へ

 「ヤクルト4-4巨人」(28日、神宮球場)

 感極まったような表情を浮かべていた。盛大な村上コール。ヤクルト・村上は手を振り、帽子を取って頭を下げた。ついに迎えた神宮ラストゲーム。8年間の思い出がたくさん詰まった場所。「大好きな球場。この声援がいつも背中を押してくれた」と感慨深げな面持ちだった。

 体調に不安を抱えていた前夜、5試合ぶりにスタメンに復帰した男が延長十二回までフルイニング出場した。神宮のファンに自身の姿を目に焼き付けてほしい思いもあっただろう。1点を先制した初回1死二塁で右前に運ぶ惜別の適時打を放った。同点の延長十二回には守護神・マルティネスを相手に中飛に倒れ、打球の行方を見ながら悔しそうな表情だった。

 今季終了後にポスティングシステムを使用してメジャー球団に移籍することは確実だ。「(来年)どうなるか分からないですけど(神宮の声援が)聞けなくなると思うとすごく寂しい。テレビ越しで応援してもらえれば」と言葉に思いを込めた。

 試合後のセレモニーでは今季限りで退任する高津監督から「ムネ、おめえアメリカに行くのか?」といじられて、うなずいた。指揮官からは「あなたは常にスワローズの代表」とエールを送られた。「頑張りたいと思います」と村上。思い出の場所でケジメをつけ、夢を実現させるため海を渡る。

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