“森下翔太”が甲子園で躍動 エースが投打に活躍で創成館初戦突破 「名前に恥じないピッチングを」
「全国高校野球選手権・1回戦、創成館3-1小松大谷」(5日、甲子園球場)
大会史上初のナイターで行われた開幕戦は、創成館(長崎)が小松大谷(石川)を下した。森下翔太投手(3年)が1失点完投。阪神の3番打者と同姓同名の右腕が“本家”も躍動する甲子園で躍動した。また、猛暑対策として史上初めて午後4時から行われた開会式では、出場全49校が堂々と入場行進。約40分間で離脱者も出ず、選手からは好評の声が相次いだ。今大会は昨年導入された朝夕2部制が拡大され、第6日まで気温が上がる日中を避けて試合が行われる。
森下翔太が、甲子園で躍動した。創成館がエース・森下の13奪三振、完投勝利、同点打という活躍で3年連続の初戦突破を果たした。
阪神のスターと同じ「その名前に恥じないピッチングをしたかった」。170センチ。それでも5月にMAX149キロを計測した切れ味は、甲子園でも変わらなかった。初回から146キロの快速球を投げ込んだが、3安打を集められ先制を許した。
「初回は相手が上でした」と、直球狙いと読むと、すぐさまスライダー中心の組み立てに切り替えて、落ち着きを取り戻す。二回には2死一塁で打席が巡ってきた。「自分で取り返す」と、左翼線突破の同点二塁打で、流れを引き寄せた。
三回以降、許した安打は1本だけ。大会初のナイター開催となった開幕戦。完全に日が暮れると「直球が速く見える」という稙田龍生監督(61)の助言を受け、中盤以降は変化球でカウントを稼ぎ、直球で仕留める配球に。試合中の、2度の“モデルチェンジ”と、「涼しかった」という時間も武器に投げきった。
阪神の森下の存在はプロ入り前から知っていたといい、「寮のテレビで阪神の試合は見たりします。自分もプロ野球選手になって戦ってみたい」と将来の対戦を夢見る。
次戦は神村学園。「小さくても、という気持ちでここまでやってきた」という170センチのエース。「次も自分のピッチングで」と、初の“夏2勝”に照準を合わせた。
◆森下 翔太(もりした・しょうた)2007年7月18日生まれ、18歳。熊本県出身。170センチ、68キロ。右投げ左打ち。小学2年から野球を始め、中学時代は熊本西リトルシニアに所属。昨年秋からベンチ入り。50メートル走6・1秒、遠投100メートル。球種はMAX149キロの直球とスライダー、カーブ、フォーク。
▽毎回奪三振 創成館の森下が1回戦の小松大谷戦で記録。今大会初で通算98度目。また、夏の開幕戦での2桁奪三振は、2012年に福井工大福井の菅原秀が常葉橘(現常葉大橘)から10三振を奪って完投して以来、13年ぶり。




