東東京・岩倉が8強入り ピンチ抑えた2年生右腕・佐藤 胃がんで闘病中の母へ届ける1勝「かける思いは誰にも負けない」

 「高校野球東東京大会・5回戦、岩倉8-7雪谷」(21日、大田スタジアム)

 岩倉が雪谷を下し、準々決勝進出。ベスト4となった2023年以来2年ぶりの8強入りとなった。8-6の八回無死一、二塁から登板し、1回2/3を2安打1失点でピンチをしのいた佐藤海翔投手(2年)は「『ピンチはおまえでいく』と言われていた。準備はできていた。(失点しても)気持ちを切らさずに投げられて良かった」と振り返った。

 0-2の二回の攻撃では、8四死球などで一挙7得点。しかし、7-2の五回から登板したエースの佐竹が7安打4失点と乱調。一気に点差を縮められた。さらに3番手の和田もピンチを招き降板。救世主の佐藤は、8-6の八回無死一、二塁からマウンドに上がり、最少失点で逃げ切り、勝負を締めくくった。

 苦しい場面でも平常心で腕を振れたのは、コーチを務める1984年のセンバツV投手で、阪神、ヤクルトで内野手として活躍した山口重幸さん(59)の言葉があったからだ。「いつも、気持ちのコントロール的なところで、『冷静さを忘れないで自分のピッチングをしなさい』と言われていた。そこを意識してやっています」と佐藤。助言を胸に、勝利を呼び込んだ。

 闘病中の母・友喜子さんへ届ける一勝でもあった。友喜子さんは、約1年前からスキルス胃がんで入院中。佐藤は、前戦の明大中野戦後にお見舞いに行ったといい「病室に入った瞬間から、心のそこからの『頑張ってるね』という言葉をもらった」。母からの応援が背中を押した。

 「目標は甲子園出場」ときっぱり。「負けてられないという気持ちや、自分が投げる球への気持ち、かける思いは誰にも負けない」。愛する母を必ず夢舞台に連れて行く。

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