水戸の怪腕に阪神スカウト熱視線!水戸啓明の最速146キロ右腕・中山が1回0封「良い緊張感が味わえた」
「高校野球茨城大会・3回戦、水戸啓明11-0つくば国際大高」(18日、笠間市民球場)
茨城大会では3回戦6試合が行われ、水戸啓明が2戦連続のコールド完封勝利で16強入りした。プロ注目の最速146キロ右腕・中山優人投手(3年)がリリーフで今夏初登板し、1回を2奪三振無失点。阪神が畑山統括スカウトら3人態勢で視察するなど6球団12人が熱視線を送った。神奈川大会では今春センバツ大会覇者の横浜が快勝した一方で、一昨年の夏を制した慶応は日大高に敗れた。
背番号1が歩みを進めると、ネット裏の視線が熱くなった。スラリと美しい立ち姿がマウンド上で際立つ。今大会初登板は最終回の五回。中山が勝負の夏を上々発進だ。
「良い緊張感が味わえて、投げられました」。大量リードはあったが、夏の初登板は特別だ。先頭には内野安打を許すも、次打者はこの日のベストボールだという137キロを外角低めに決めて見逃し三振。後続も難なく打ち取り試合を締めた。変化球も多彩だが、この日は全て直球勝負。最速140キロながら、ストライク先行の投球で持ち味の制球力も垣間見えた。
昨冬以降、12球団が度々視察に訪れているという。まだ細身だが、将来性には大きな期待が寄せられる。ロッテ・菅野スカウトは「バランスの良い投げ方。スピードガン以上に球質が良い」と話し、巨人・円谷スカウトは「しなやかでピッチングがうまい」と評価。オリックス・佐野スカウトは「投げ方に癖がなくキレイ。(将来像は)楽天の岸さん」と言及した。
高校進学に際しては常総学院や土浦日大など県内強豪校に加え、沖縄・興南など約20校から誘いを受けたが「そこで勝つのはおもしろくない。自分が勝たせて水戸啓明を有名にしたいと思った」と中山。元中日の春田剛監督(38)も「去年と比べ初速と終速の差が少ない。後輩指導もできるようになり、本当に大黒柱」と成長を認め、信頼を置く存在だ。謙虚な性格の中にも熱い思いを宿すエースが、聖地へと突き進む。
◇中山 優人(なかやま・ゆうと)2007年4月18日生まれ、18歳。茨城県鉾田市出身。182センチ、65キロ。右投げ右打ち。小学1年から当間スポーツ少年団で野球を始め、鉾田南中では水戸青藍舎ヤングに所属。水戸啓明では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒3、遠投115メートル。変化球はスライダー、チェンジアップ、スプリット、カーブ、カットボール。




