高校野球 高田商・赤坂監督がラストミーティング「ブレてしまうような人間にだけはならんといてくれ」智弁学園に惜敗で最後の夏終わる
「高校野球奈良大会・2回戦、智弁学園2-0高田商」(14日、さとやくスタジアム)
DeNA三浦大輔監督の母校でもある高田商が初戦で散った。初戦屈指の好カードとなった智弁学園との2年前の決勝の再戦で、好機を得点に結びつけられなかった。
球場に隣接する広場に選手を集め、赤坂誠治監督が伝えたのは歴代OBや保護者への感謝の思いだった。
「先輩たちが(過去に)甲子園に行ったことがあるから、何事にも変えられない経験をさせてもらっている。こういう環境で野球ができたのは、一生の宝物や。OBの方々にも感謝をして欲しい」
たくさんの観衆が集まり、大声援を浴びながらの試合だった。
2回二死一、二塁で8番の門脇拓也内野手(3年)が中前打を放ち、二塁走者が本塁を狙うも好返球で得点ならず。2点を追う6回にも1死満塁のチャンスを迎えながら、併殺打に終わった。
3、5回にいずれも二塁打2本を浴びて失点したものの、田宮永遠投手(3年)は持てる力は出し切った。
「相手は初球からしっかり振ってくる打者が多いので、厳しいところを攻めようと思っていました。真っすぐは全部打ち上げてくれた」
昨夏の甲子園8強の智弁学園を相手に、堂々の戦いぶりだった。
3年生にとっては“最後のミーティング”。赤坂監督はこんなメッセージを残した。
「みんながここまでやってこれたのは、保護者の方々の支えがあったから。ベンチに入る、入らへん。試合に出る、出えへんで(保護者には)いろんな思いをさせている。勝ったり、優勝するから幸せなんやないんやで。負けてしまったけれど、こういう環境で野球をさせてもらったことが幸せなんや。(高校での)野球は終わるけれど(引退をして)ブレてしまうような人間にだけはならんといてくれよ」
高田商にとっては、早すぎる夏の終わりだった。


