左袖に喪章の阿部巨人 長嶋さんへの思い空回り…追悼星ならず「勝って良い報告をすることしかできないと言ったし」
「ロッテ5-3巨人」(4日、ZOZOマリンスタジアム)
勝利の報告はできなかった。3日に長嶋茂雄終身名誉監督が死去してから、初の試合となった阿部巨人。だが、井上が失点を重ね、打線が終盤に粘りを見せるも届かず敗戦。阿部慎之助監督は「勝って良い報告をすることしかできないと選手にも言ったし、みんな頑張っているんだろうけどね」と厳しい表情で振り返った。
この日は球場に半旗が掲げられ、巨人のユニホームの左袖には喪章が付けられた。試合前にはビジョンに長嶋さんの写真が映し出され、両チームの選手や首脳陣、そしてスタンドのファンが黙とう。偉大な足跡を残した長嶋さんの死を悼んだ。
ミスターに捧げる勝利を-。ただ、思いは空転する。先発・井上が二回に先頭の山本の先制ソロを浴びると、無死一塁から藤岡にも2ランを打たれて3失点。続く三回にも岡、藤岡の連続適時打で2点を加えられた。
打線が低調の中、序盤の5点ビハインドは重くのしかかった。八回にキャベッジの右前2点適時打、吉川の中犠飛で計3点を奪うも届かず。阿部監督も「(取れても)3点が今はマックス。だから100点じゃない?」と攻撃陣を評した。
だが、秋に最高の報告をするためにもズルズルと後退するわけにはいかない。悲報を受けた前日には阿部監督も「『絶対に勝つんだ!』という話をして、熱い気持ちを僕らに注入して支えてくれた」と長嶋さんの勝利への強い思いを継承していくことを誓っていた。
交流戦は黒星スタート。チームも3連敗となり「結果が出ていない人は、しっかり自分で現実を受け止めてやってほしい」と阿部監督。長嶋さんから受け継がれた熱い魂で、厳しい現状を打破していく。



