巨人・阿部監督「神様のような存在」長嶋さん悼む 勝利への熱量、王者の誇りと魂「継承してやっていきたい」「本当に感謝」
国民的スーパースターで「ミスタープロ野球」の愛称で親しまれた巨人・長嶋茂雄(ながしま・しげお)終身名誉監督が3日午前6時39分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。89歳だった。
巨人、そして日本球界の象徴だった偉大な先人の訃報を受け、巨人・阿部慎之助監督(46)が沈痛な思いを語った。
「神様というのか分からないですけど、そのような存在でしたし、誰もが認める野球人だったんじゃないかなと思います。その一言に尽きます」
阿部監督にとって長嶋さんは、入団1年目の指揮官であり「1年間、我慢して使っていただいた。僕をここまでにさせていただいた方。本当に感謝しかない」と、その後の道を切り開いてくれた恩師だ。それだけに、この日の朝の訃報に触れ「残念な報告だった」と表情を曇らせた。
最後に顔を合わせたのは3月15日のドジャースとのプレシーズンゲーム。いつも周囲を明るく照らした長嶋さんだけに「僕が『おしゃれですね』って言うと大笑いしてくれて。そこが最近ではすごく印象に残っている」と、阿部監督が記憶に刻んだのも太陽のような笑顔だった。
それとともに、脈々と受け継がれているのは長嶋さんの勝利への熱量だ。「『絶対に勝つんだ!』みたいな話をいつもおっしゃってくれる。そういう熱い気持ちを注入していただいた。だからこそ、僕も若い選手に『熱き気持ちを持ってやってくれ』と言った」と話す。
脳梗塞で倒れた後も球場へ足を運び、チームを激励し続けた長嶋さん。「すごく心強かった」と指揮官にとっても心の支えとなった。その恩に報いるのは勝利の、日本一達成の報告しかない。
「長嶋さんは『ジャイアンツは永久に不滅』と言った。そうなれるように、僕らがしっかりと素晴らしいものを継承してやっていきたい」と阿部監督。引き継がれし王者の誇りと魂を、未来へつなぐ。





