星稜高名誉監督・山下智茂氏が長嶋さん悼む 松井秀喜氏を指名時「甲子園5打席敬遠」の逸話

山下智茂氏
 1992年11月、ドラフト会議で松井秀喜の交渉権を獲得、ガッツポーズする巨人・長嶋茂雄監督。右は阪神・中村勝広監督
 2013年5月、国民栄誉賞授与式後に行われた始球式を終え、言葉を交わす長嶋茂雄さん(右)と松井秀喜さん
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 プロ野球の国民的スターで、「ミスタープロ野球」と呼ばれた元巨人・長嶋茂雄さんが3日、肺炎のため亡くなった。89歳だった。現役引退後は巨人監督を2度にわたり通算15年務め、5度のリーグ制覇と2度の日本一に導いた。

 星稜高校野球部名誉監督の山下智茂氏(80)が同日、デイリースポーツの取材にコメントを寄せた。同校から1992年度ドラフト1位で巨人入りした松井秀喜氏との縁で長嶋さんと親交が続いていた。「私たちの世代は長嶋さん、王(貞治)さんが憧れでした。松井が入学して、最初は“王さんのようなスケールの大きい選手になるように”と一塁を守らせた。2年生になってからは“長嶋さんのようなスーパースターに”と三塁に就かせた」と逸話を明かした。

 ドラフト会議で長嶋さんが監督を務める巨人が松井氏を1位指名。「入団が決まり『多くの選手がいる中で松井を指名していただきありがとうございます』と言うと、長嶋さんは『(92年夏の甲子園・明徳義塾戦で)5打席連続敬遠された時の彼の態度が素晴らしいと感じ、彼を巨人のスターに育てたいと思ったんです』と言っていただいた。細かいところまでご覧になっているんだなと思いました」と振り返った。

 松井氏は現役引退後の2013年、国民栄誉賞を受けた。セレモニーで長嶋さんに会った山下氏が御礼の気持ちを伝えると、長嶋さんからは「こちらこそ、彼を素晴らしい選手に育てていただきありがとうございました」と感謝されたという。山下氏は「長嶋さんは太陽のような人。心からお悔やみ申し上げます。松井は人に恵まれていい選手になった」と悼んだ。

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