東大が秀才軍団の強み生かし1イニング2本塁打「VR映像で良いイメージを作った」10連敗で今季終了も秋へ収穫たっぷり
「東京六大学野球、立大7-6東大」(25日、神宮球場)
東大は10連敗で今季終了となったものの、六回までリードを奪う好ゲームを演じた。
先発左腕・田中優飛投手(2年・仙台育英)を攻略した。二回に先頭・荒井慶斗内野手(2年・宇都宮)が高め直球を捉え先制の左越えソロ。2死一塁からは秋元諒内野手(2年・市川)がスライダーを左翼席へ運び今季2号2ランを放った。東大の1イニング2発は、宮台康平を擁し勝ち点を奪った2017年秋の法大2回戦以来。四回には青貝尚柾内野手(4年・攻玉社)の適時二塁打で1点を追加した。
リーグ戦初本塁打となった荒井慶は「完璧でした。打った瞬間、行ったと思いました」と満足顔を浮かべた。185センチの長身で、ウエートトレーニングに力を入れるなど高3夏から12キロ増量し体重90キロと恵まれた体格。高校通算2本塁打ながら、努力の成果をリーグ戦で示した。
さらにアナリストが作成したVR映像で田中の投球を研究。「何度も見て良いイメージを作りました。田中投手のスライダーはキレが良いので(捉えるのは)厳しいかなと思い、甘い直球を一発で仕留めようと臨みました」。秋元も「スライダーの軌道を頭に入れていました」と手応えを語る。ともに研究の成果が最高の形で現れた。
大久保裕監督(67)は今季を振り返り「打つ方がもう少し力があると思っていたが、眠れる東大打線のままで来てしまった」と肩を落とした。それでも収穫たっぷりの最終戦に「最後にこういう試合ができたので、何とか秋につなげたい」と前を向いた。





