日本野球機構（ＮＰＢ）は８日、都内のホテルで「マイナビオールスターゲーム２０２５」（７月２３日・京セラドーム大阪、同２４日・横浜スタジアム）の要項発表会見を開催。トークセッションに出席したセ・リーグを指揮する巨人・阿部慎之助監督（４６）は、セの中心となる選手に阪神・佐藤輝明内野手（２６）と森下翔太外野手（２４）を挙げ、夢舞台での爆発に期待をかけた。

　深く刻まれた若き猛虎２人の姿が、阿部監督の脳裏に浮かぶ。セの気になる選手を問われると、即座に「やっぱり昨日までタイガースにこてんぱんにやられていたので。森下くん、佐藤くんが中心になってくるんじゃないかなと思う。すごく楽しみ」と答えた。

　今季の巨人は阪神相手に２勝７敗と苦戦。その中で８日までの３連戦で森下には３戦連発を許すなど、対戦打率・４１２。リーグ２冠の佐藤輝も巨人戦で４本塁打を放ち脅威となっている。ただ、味方となれば、これほど頼もしい存在はない。

　対峙（たいじ）するパ・リーグの強力投手に「セ・リーグも良い打者がそろうので、どう攻略するか」と話す阿部監督。その中で「（西武）隅田くんと、今一番セで調子が良い森下くんの対戦を見たい」と名勝負となる期待感をにじませた。

　森下にはパ・リーグを率いるソフトバンク・小久保監督も注目。２軍監督時代の２３年に、フレッシュ球宴で全ウエスタンを指揮。その時のＭＶＰが森下だった。「３年後にこんな選手になるのかと。打ち取れるコース、球種がない打者に見える」と舌を巻くほどだ。

　初の大役を担う阿部監督は「ファン投票とかもあると思うが、打順を決めるのを楽しみにしている」と話した。森下、佐藤輝らを中心にどんな打線で挑むのか。昨季、巨人を４年ぶりのリーグ優勝に導いた指揮官が、真夏の夜の夢を熱く演出する。