楽天・小森 つば九郎に感謝の一打 ヤクルトから人的補償で移籍「1軍ヒットなるはやで」エールに応えた
「練習試合、ヤクルト6-8楽天」(24日、ANA BALL PARK浦添)
雲の隙間から、浦添の太陽がほほ笑んだ。古巣との一戦で、楽天・小森航大郎内野手(21)が打って走ってと暴れ回る。「今日は何とか打とうという気持ちで来たので、それが1本出て良かった」。在籍した3年間で一度も足を踏み入れられなかった1軍キャンプ地の浦添で、オープン戦初安打&初打点。活躍を届けたい相手がいた。
最大の見せ場は2死一、三塁で迎えた五回。1ストライクからの2球目をはじき返すと、打球は中堅・岩田のグラブをかすめて抜けた。俊足を飛ばして一気に三塁まで陥れる2点適時打に。また三回1死一、三塁では併殺崩れの間に先制点をもぎ取った。三木監督も「自分の役割をよく分かっている」と評価した。
今年1月にFA移籍した茂木の人的補償で楽天に移籍。その際にエールを送っていたのが球団マスコット「つば九郎」だった。ブログに何枚も写真をアップし、「1軍ヒットは、イーグルスで必ず、なるはやで決めろよ!」と言葉をしたためていた。そんな担当者が19日に急逝。思いが募った。
「本当に良くしてもらった。球団に移籍のあいさつへ行った時も最後までお見送りをしてくれた。感謝しかないです」
昨季1軍デビューの際には「やっと来たか」と声をかけてくれた大切な存在。出会った場所から戦うチームこそ変わったが、その友情は永遠にある。「代えが効かないピースになれるように」。恩返しの活躍は、まだ始まったばかりだ。
◆小森 航大郎(こもり・こうたろう)2003年4月30日生まれ、21歳。福岡県出身。173センチ、83キロ。右投げ右打ち。内野手。宇部工では甲子園出場はなかったが、強打に注目され21年度ドラフト4位でヤクルトの指名を受け、入団。初出場は昨年9月6日、阪神⑳戦(代打)。今年1月、FAでヤクルト入りした茂木栄五郎内野手の人的補償で楽天に。




