「牛骨バット」使用感は? 広島・会沢「硬い」ロッテ・藤岡「金属に近い、感覚的に」 日本ハム・清宮は打球速度アップ実感

  9日の紅白戦で二塁打を放つ日本ハム・清宮
 9日の紅白戦で二塁打を放つ日本ハム・清宮
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 日本野球機構(NPB)は今季から、牛骨など硬質なものでバットの表面をしごく加工を解禁した。飛距離や反発係数は変わらないとされているが、実際の使用感はどうなのか。近年の「投高打低」の傾向に変化を与えるきっかけとなるのか。「牛骨バット」を使用している選手たちの声を集めた。

  ◇  ◇

 自主トレ段階から「牛骨バット」を試している選手は多い。広島・会沢は実際に打った感触について「硬いという感じ。前よりも硬く感じます」と語る。ロッテ・藤岡も「やっぱり硬い。音とかはちょっと高い音が鳴ったりする。本当に金属(バット)に近いんで、感覚的に」と言及しつつ、「詰まると痛いです」と率直な感想を口にした。

 かつてバットの材質は北海道産のアオダモがメインだった。独特のしなりがあり、ボールをしっかりと押し込める感覚が好まれた。だが、アオダモの資源量が減少し、近年はより硬く、反発力を感じられる北米産のメープルが主流になった。その他にホワイトアッシュ、バーチという木材も使用されている。

 それらのバットよりも、表面加工を施したバットの打感は「硬い」と、選手たちは口をそろえる。牛骨などでしごいて表面を硬くし、木目を詰めるため、阪神・糸原のように「少し(バットが)細く感じた」という感想も聞かれた。

 飛距離、打球速度に違いはあるのか。

 9日の紅白戦で右中間を破る二塁打を放った日本ハム・清宮幸は「自分の感覚的に抜けると思わなかったけど、おお、そこまで抜けたかっていう」と打球速度が上がった感覚を得たという。会沢も「いいはじきはしているのかなと思う」と語る。試し打ちの結果、使用を見送った広島・野間は「スイングスピードがないとキツいのかな」と指摘。打者のタイプや打ち方によって向き、不向きがあるのかもしれない。

 使用に前向きな声も多い。阪神・佐藤輝は「いいような気がします。やって損はないかな、という感じです」、巨人・大城卓も「徐々に慣れてくるかなというところですね。試合に使ってみてですね」と従来のバットと併用しながら見極めていく考えだ。「打ち比べをして、しごきがある方がいいのか、ない方がいいのか。ちょうど今はその分岐点なのかもしれない」とはメーカー関係者。今後の実戦でどんな感想、データが集まるのか、注目される。

 ◆牛骨などによる表面加工 NPBでは牛骨など硬質なものでバットの表面をしごいて木目を詰める加工を禁止してきたが、メジャーでは一般的に行われている加工法で、国内メーカーからの要望もあり、NPBは昨年までに第三者機関に調査を依頼。加工を施しても反発係数の数値はほとんど変わらないという結果が得られたため、今季から解禁を決めた。

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