工藤公康氏 古巣・西武復権のカギは「ベンチの空気」ソフトバンク監督時代に必要としたムードメーカー「監督が言っても変わらない」
プロ野球名球会のYouTubeチャンネルが20日、更新され、西武OBで元ソフトバンク監督の工藤公康氏が古巣再建への提言を行った。
動画では和田一浩氏、栗山巧の3人でトークが繰り広げられた。昨季、チームは49勝91敗3分けで、首位から42ゲーム差の最下位に沈んだ中、工藤氏は「首脳陣がどれくらいの手応えをつかんでいたかというのもあるけど、結論から言えばこういう時もある」と語った。
「どの球団だって(低迷は)あるわけだし、中にいる人たちがどう感じるか。僕は選手だって一生懸命やった中での答えだと思うし、しょうがない。ファンの皆様は納得できない部分はあるのかなと思うんですけど、それでも選手たちは一生懸命やっていることを理解して欲しいなと思います」と前置きした上で、西武に足りないものを問われると「足りないというより、そうなっちゃう。ベンチの雰囲気が。チームもネガティブになるし、思考も」と指摘。ベンチの雰囲気が最大の要因と分析した。
工藤氏はソフトバンク監督時代、3度のリーグ制覇、5度の日本一へチームを導いた経験がある。「僕はホークスの監督をやっていたときにどうするかっていうのは、明るく元気に。負ければ監督のせい。自分たちのやるべきことをやってくれればいいんだよっていうのが口癖だった」ことを明かした。その転機となったのが就任1年目Vの翌シーズン、2位に甘んじた2016年だったという。
「1年目は気がつかなかったけど、2年目に落ちて何が悪かったって考えた時に『俺だ!って』。やっぱり雰囲気を作れない、コミュニケーションを取れないみたいな自分がダメだと思って。そこから自分で積極的にコミュニケーションを取りにいったりとか、たわいもない話をした。ちょっとずつ選手の話を聞き出したりとか。とにかくベンチが暗くなったらいけないので。ベンチを常に明るくする。負けてても松田に声をかけたり。福田くんとかね、明るく元気にしてくれる人たちに声をかけていた」と振り返った工藤氏。「監督が言っても変わらないんですよ。明るく元気にやれと言われても選手がなるわけがない。やっぱり選手が声を出さないと」と力を込める。
そして復権へのキーマンに挙げたのは平良。栗山から「競り合っての負けが多かった」と明かされたことで「平良くんがどういう気持ちでシーズンに臨んでいくか、気になるところではありますけど」と分析。今季は先発からリリーフに転向することで「一番は本人が納得してできるか。そこを丁寧に話をしたか」と語り、先発とリリーフの適正についても「先発だったらストレートの他に変化球を4球種以上持っているかというのが条件の一つ。リリーフは決め球が一つあって、速いボールがあるとできる」と持論を展開していた。




