殿堂入りのイチロー氏 野球を通じて必要なこと伝える「ナメた子供は叱る」「ナメた大人も叱る」
オリックスや米大リーグで通算4367安打を放ったイチロー氏(51)=本名鈴木一朗=の野球殿堂入りが16日、都内の野球殿堂博物館で発表された。以下、イチロー氏との一問一答。
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(報道陣に対しては文書で質問に応じた)
-日本と米国で長く活躍できた原動力は。
「多くの人が常識だと思っていることを疑い、大事な決断は自らしてきました。第三者の意見ではなく、感性に基づき行動してきたことは大きな要因の一つだと思います」
-最も印象に残っている場面やプレーは。
「2018年5月に選手としてはプレーできなくなり、そこから練習だけの日々を経て2019年に東京ドームで引退を迎えたことは、人生の大きな支えになると思います」
-野球界のデータ偏重の風潮に警鐘を鳴らしている。野球の面白さを後世に引き継いでいくためにすべきことは。
「長い時間をかけて築いてきたことには理由があります。一時的な利益のために大切なものを失ってほしくない。大胆な変化には良いこともありますが、気がついたときには手遅れということはよくあることなので、その判断は慎重すぎるくらいのスタンスで」
-日本の野球に足りないところ、アメリカ野球の方が優れている点は。
「規制の多い日本では、一定世代以下はキャッチボールすら特殊なスキルになってしまった。アメリカでは今も野球は近くにあり、世代を超えて継承されているように見えます」
-男女問わず、高校世代を熱心に指導している。大事にしていることは。
「さまざまな場面で、『必要なことすら伝えられない』と嘆く先生や指導者たちの声を聞きます。野球を通じて、社会に出てからのきっかけになってくれればという思い。ナメた子供は叱る」
-今後取り組んでみたいことは。
「ナメた大人も叱る」