ヤクルト・青木を支え続けた男たちに贈られた感謝のバット 「おかげ様でたくさんヒットが打てました」 七條&佐藤打撃投手

 支え続けた打撃投手にプレゼントされた青木バット(佐藤賢打撃投手提供)
 青木を支え続けた佐藤打撃投手(左)と七條打撃投手(右)=佐藤賢打撃投手提供
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 「ヤクルト5-3広島」(2日、神宮球場)

 ヤクルトの青木宣親外野手(42)が引退試合を行い、21年間のプロ野球人生に終止符を打った。1番・中堅で出場し、マルチ安打の活躍で有終の美を飾った。

  ◇  ◇

 積み上げてきた快音の数だけ、支え続けた男たちとの絆、物語がある。試合前。最後の打撃練習を終えると、青木が向かったのはマウンドだった。七條祐樹打撃投手(40)、佐藤賢打撃投手(42)に「感謝を伝えたくて…」と差し出された手。涙をこらえ、両打撃投手が思い出を語った。

 「ダメ、ダメ。泣きそうになっちゃう」と思い出を振り返るのは七條打撃投手だ。振り返るだけで目頭が熱くなる。中でも最高な“プレゼント”の存在を明かした。毎年のシーズン終了時、裏方スタッフ全員にバットなどにサインを添えて贈っているという青木。この3日前ほど、ロッカー整理をしている際に最後のバットが手渡された。

 「おかげ様でたくさんヒットが打てました。ありがとう!」

 バットに書かれたメッセージに、胸はいっぱいになる。食事に出れば兄貴分、一緒にショッピングモールでたこ焼きやソフトクリームをほお張った。プライベートでも時間を重ね、「打撃どうなっている?」と真剣な打撃論も交わす仲。家族のような存在だった。

 ドラフト同期入団でもある佐藤打撃投手は、シーズン終了後に2人で訪れたスパ施設「ラクーア」での時間を懐古。「侍の合宿前で『しんどいよ』なんて言いながらね。愚痴じゃないけど、ちょっとこぼせる存在にはなれたのかな」。思い出の数だけ、寂しさは募る。感謝の思いを胸に、強く、熱く握手した。(ヤクルト担当・松井美里)

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