日本ハムの新庄剛志監督（５２）が１１日のソフトバンク戦（北九州）で、現役ドラフトで加入した水谷瞬外野手（２３）をスタメン起用することを決めた。「あります。あります。頭から。（先発は左腕の）大関くんでしょ？」と明言した。

　水谷は１９３センチの恵まれた体と、卓越した身体能力の持ち主。キャンプ途中に１軍昇格したが、オープン戦期間中に２軍降格していた。「歯がゆさはあったんですけど、そういう評価だったっていうことなので、ファイターズに来た時点で１からっていうことをテーマにやってきてるんで、またやるだけだっていう気持ちでやっていこうと」と明かす。２軍では打率・２８６、４本塁打、１２打点の活躍で、９日にプロ入り初の１軍昇格を勝ち取った。９日は出場しなかったが、１１日に古巣を相手にプロデビュー戦を迎えることになる。

　北九州も縁がある球場だ。「去年は小久保さんの愛のムチで３軍に２カ月半ぐらいトータルで行かせてもらったんですけど、その時にも北九州では３軍戦でやって。状態を上げるきっかけじゃないですけど、結構何試合かプレーした球場。思い入れはありますね」と振り返った。

　あえて古巣相手のデビュー戦。新庄監督は「ソフトバンクからうちに来て。すごい思いはあると思うし、そういうの、僕、大事にしたいから」と明かす。その上で「彼にも言いましたけど、『ここは１軍の舞台じゃない。２軍でものすごいいいバッティングしてた。それをただここで、自然体で打席に立ちなさい』ということは伝えました」とアドバイスを送ったという。

　デビューを控えて水谷は「キャンプからではなく、この５年間、５年ちょっとやってきたことを出せたらなと思います」とプロで培ったものを出し切る思い。かつての仲間の前でのデビュー戦。「元気にプレーやってることが一つその恩返し、育ててもらったっていう恩返しになると思うんで、気負い過ぎずやれたらなと思います」。自然体で恩返しの打席に立つ。