初V健大高崎 2年生・石垣8回2失点熱投 腕振った2日間で243球 「『1』をつけて戻ってきたい」

 6回、報徳学園・今朝丸を三振に打ち取り雄たけびを上げる健大高崎・石垣(撮影・石井剣太郎)
 センバツ優勝を決め、喜ぶ健大高崎ナイン(撮影・石井剣太郎)
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 「選抜高校野球・決勝、高崎健康福祉大高崎3-2報徳学園」(31日、甲子園球場)

 決勝が行われ、高崎健康福祉大高崎が3-2で報徳学園を下し、春夏通じて初優勝を果たした。2年生右腕の石垣元気投手が8回2失点と好投。同学年左腕の佐藤龍月(りゅうが)投手が九回を締めた。全試合で3年生投手が登板せずに優勝したのは2004年の済美以来20年ぶり。群馬県勢初の春制覇ともなった。報徳学園は2年連続準優勝で涙を飲んだ。

 全速力で駆け出した。一番のライバルであり、一番の仲間である、背番号1が両手を広げるマウンドへ-。石垣は満面の笑みで、歓喜の景色を目に焼き付けた。

 「佐藤が準々決勝まで先発していて、自分も投げたい、負けたくないという気持ちでした」

 今大会最速150キロを出した直球が持ち味ながら、この日は変化球も効果的に使用。報徳打線を後押しする大声援に負けじと、腕を振った。

 ヤマ場は同点の六回無死二、三塁。ギアを上げた。「報徳さんの応援がすごかったんですけど、打者に向かっていこうと」。阪神・下村を参考にする得意のカットボールで徳田を空振り三振。続く辻本は三ゴロで三走を本塁憤死に。最後は今朝丸を外角直球で見逃し三振に仕留め、雄たけびを上げた。

 準々決勝で先発し左手中指のマメが破れた佐藤の状況も考慮され、自身初となる2戦連続の先発。八回のマウンドは、初めて続投を志願した。

 前日に佐藤の指を確認。「肉が見えていた」と衝撃を受けた。「体力的にもいけたので、八回も行かせてくださいと言いました」と2日間で243球の熱投。「佐藤にばかり頼るんじゃなくて、自分もいるぞと証明できた」と胸を張る。

 「後は任せた」。石垣の思いを受けた佐藤は九回、2死二塁とピンチを招く。それでも「アウェーの雰囲気は感じなかった」と集中していた。フルカウントから宝刀スライダーで空振り三振。今大会の全22回を無失点に抑え、群馬県勢初の頂点に導いた。

 可能性無限大の2年生コンビ。大会前は常に背番号1を意識し合う。「『1』をつけて、甲子園のマウンドに戻ってきたいです」と石垣。力を合わせ開いた扉の向こうに、まだ見ぬ景色を探しに行く。

 ◇石垣 元気(いしがき・げんき)2007年8月16日、16歳。北海道登別市出身。177センチ、70キロ。右投げ両打ち。市立西小1年時に「柏木ジュニアーズ」で野球を始め、西陵中では「洞爺湖シニア」に所属。高崎健康福祉大高崎では1年春からベンチ入り。50メートル走は6秒3、遠投は110メートル。

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