「ＤｅＮＡ６－１広島」（３０日、横浜スタジアム）

　ＤｅＮＡがドラフト１位・度会隆輝外野手の４安打の活躍で２０１３年以来、１１年ぶりとなる開幕連勝。初回の頭部死球をものともしない活躍ぶりに横浜スタジアムは興奮のるつぼと化した。

　戦慄が走ったのは初回だった。黒原のストレートがヘルメットの耳当て部分を直撃。その場に倒れ込み、黒原は３球で危険球退場処分に。だが度会はプレーを続行し、プロ初盗塁をマークすると、牧のタイムリーで先制のホームを踏んだ。

　第２打席はまるで恐怖を感じないとばかりに、打席のホーム寄りに立って逆方向へクリーンヒット。第３打席もアウトローのストレートに踏み込んで右翼席へ放り込んだ。開幕２戦連発はセ・リーグの新人で史上初の快挙。「速いストレートに対して一振りでミートすることができました。デッドボールから始まり次の打席ではしっかり切り替えることができていたので、自分を信じて打席へ向かいました」と振り返ったが、勢いは止まらなかった。

　六回の第４打席では右翼へ痛烈な二塁打。プロ初猛打賞をマークし、サイクル安打に王手をかけて迎えた八回の第４打席は中前打で惜しくも快挙を逃したが、頭部死球からの４安打に本拠地のファンは大歓声だ。

　お立ち台では「本当に幸せな気持ち。（死球は）大丈夫です。ありがとうございます」と笑みを浮かべた度会。「前の打席を考えるといいことないので、１打席目の気持ちで打席に立ちました」と力を込めた。

　投げては先発の平良が死球禍で騒然となる中、６回までノーヒットノーランの快投。七回無死から初安打を許したが、以降も動じることなくアウトを積み重ねた。これでＤｅＮＡは開幕２連勝。ルーキーが生み出した勢いは間違いなく、本物だ。