広陵・高尾 延長十回142球熱投もサヨナラ負け 七回までノーノーもタイブレークで力尽く「夏も必ず帰ってきたい」
「選抜高校野球・2回戦、青森山田6-5広陵」(27日、甲子園)
2回戦4試合が行われ、青森山田は延長タイブレークで、広陵にサヨナラ勝ちした。
サヨナラの走者が本塁を踏むのを見届けると、広陵・高尾は両膝に手を突いた。「自分の悪いところが出た。弱いところを克服していかないと、勝っていけないと思った」と唇をかんだ。
実力は示した。七回までは、無安打投球を披露。「打たせて取る、気楽な感じで投げていた」と言いながら、9奪三振をマークして、快調にアウトを積み重ねた。
しかし、2点リードの八回。先頭に二塁打を浴び、ノーノーが途切れたところから歯車が狂った。2四球が絡み、1死満塁とされると、3番・対馬に右前に同点適時打を浴びる。さらに3点の勝ち越しに成功し、迎えた九回にも、先頭の四球から1死満塁とされ、1番・佐藤隆に同点適時三塁打を献上。この回に自己最速タイの148キロを計測するなど、必死に腕を振ったが「力みが出た」と反省した。
試合はタイブレークに突入。味方の攻撃が無得点に終わるも、表情を変えずマウンドへ。しかし、4番・原田に142球目の直球を中堅深くまで運ばれ、力尽きた。中井哲之監督(61)は「代えて後悔したくなかった。負けるならこの子(高尾)でと。本当によく投げてくれた」とエースを責めることはなかった。
入学直後から名門の背番号1を背負ってきた。大会屈指の好投手として迎えた3季連続の甲子園は、ここで敗退。全国制覇のチャンスはあと1回となった。「悔いの残らないように精いっぱいやって、夏も必ず帰ってきたい」と高尾。最後の夏に全てを懸ける。