巨人の阿部慎之助監督（４５）が２７日、開幕・阪神戦を前に「共闘」を誓った。新監督としての初陣は、本拠地で迎える伝統の一戦。互いに正々堂々、熱き戦いを誓った上で「ぶつかっていきます」と、まずは３連戦に全力で挑む覚悟を示した。

　開幕を２日後に控えた全体練習。前日２６日、新外国人・オドーアの電撃退団が発表されたが、チーム内に動揺は見られない。そもそも開幕メンバーとして計算していなかった選手。開幕戦は巨人、阪神ともに和製オーダー対決が有力になった。

　「高ぶり？まだだね」と指揮官。練習中にも笑みを見せるなど自然体は変わらない。「当日、いい緊張感を味わえたらね」。阪神との開幕戦は１５回目。過去１４戦は６勝７敗１分けと、五分の戦いを続けてきた。一方で球団として、開幕カードは１１年連続勝ち越し中と、好データも背中を押す。

　「岡田監督にはオープン戦の時に、『一緒にセ・リーグを盛り上げていこう』と言っていただいたので。それに応えるべく、ぶつかっていきます」

　２軍降格を拒否する助っ人のワガママを許すことなく、選手には一貫して自己犠牲、献身をテーマにチーム打撃を求めた。阪神とのオープン戦は２戦２勝。新生・巨人の変化を印象付けた一方で「シーズンに入ればスイッチが入る。全然、違うチームだ」と警戒心を強める。監督就任初年度のリーグ優勝なら川上哲治、藤田元司、原辰徳に次ぐ４人目。巨人軍の歴史に名を刻む戦いが始まる。