近江のエース・西山は169球の熱投も力尽く 異次元スライダーで14奪三振マークも暴投でサヨナラ負け 涙は見せず

 「選抜高校野球・1回戦、熊本国府2-1近江」(18日、甲子園球場)

 近江のエース・西山恒誠投手は169球の力投実らず、最後は初出場の熊本国府にサヨナラ負けを喫した。

 延長十回、表の攻撃が無得点に終わると試合の流れが相手に傾いた。それでも西山は懸命に右腕を振ったが、1死満塁からボールがホームベース手前でワンバウンドし、大きくはずんでバックネットへ。暴投となる間に三塁走者が生還。悪夢の様なサヨナラ負けを喫した。

 試合後、エースの目に涙はなく「集中力は落ちなかった。自分の体力が少なかったんだと思います」と語った。多賀監督は攻撃面で八回のスクイズ失敗など「私のミス。勝たせてあげられなかった」と悔やんだ。

 それでも好投手の片りんは示した。打者も思わずのけぞってしまうほどの異次元スライダーを軸に14奪三振をマーク。象徴的だったのは二回2死一、二塁で坂井を打席に迎えた場面。2球目にスライダーで見逃しを奪ったが、ボールがリリースされた瞬間、思わず打者がかかんで回避動作を取った。だがボールは真ん中付近のストライクに。打者目線ではリリースの瞬間、体に向かってくるようなボールの軌道となり、そこから驚異的な曲がり幅でストライクゾーンに向かっていっていると考えられる。

 昨年、エンゼルスに在籍した大谷翔平(現ドジャース)が内角からスイーパーを投じた際、打者が同じような反応を示したことがあった。西山は異次元のスライダーを武器に、初回のアウトをすべて三振で奪った。二回も先頭を見逃し三振に仕留め、ピンチの場面で坂井を三振に斬った。

 最速143キロの直球と縦&横のスライダーを駆使する右腕。昨夏の甲子園でもマウンドに立ち、エースとなった秋季大会では35回1/3で26奪三振とそこまで奪三振率は高くなかったが、一冬を越えて大きく成長した。

 打線の援護が無い中でも、投げ抜いた169球。チームメートは涙にくれる中、西山はしっかりとグラウンドを見つめた。夏へのリベンジを期したかのように、甲子園を後にした。

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