「オープン戦、ロッテ１－１ソフトバンク」（１０日、ＺＯＺＯマリンスタジアム）

　３・１１の被災地へ、今季も元気を届ける。ロッテ・佐々木朗希投手がオープン戦に初登板し、３回を５７球、４安打５奪三振無失点。最速は１５７キロをマーク。３週間後に控えた本拠地での開幕３戦目へ、準備に余念はない。

　「ヒットも四球もあったけど、全体的にまとまってきた。まっすぐも右打者に良いボールが決まった」

　初回、先頭・柳田にいきなり１５６キロ直球を右中間二塁打された。ただ、出力は十分だ。２死三塁、山川への４球目には１５７キロを計測。その後、四球も絡んで２死一、三塁とされるも、最後はウォーカーをフォークで空振り三振に斬り、得点を許さなかった。

　二回以降も先頭に出塁を許し得点圏に走者を背負ったが、フォークを効果的に使って無失点。「変化球も真っすぐありき。真っすぐが良くなればもっと振ってもらえる」。要所は締めたが、改善点はまだまだある。昨季は左打者へ多投したスライダーを右打者にも試投。「良いボールもあったけど、甘くいく部分もあった」とこちらも伸びしろ十分の様子だが、吉井監督は「結構良い曲がりをしていた」とうなずいた。

　２０１１年３月１１日から１３年。佐々木自身も東日本大震災で被災し、父・功太さんと祖父母を亡くした。悲しみが癒えることはないが、「僕にできることは野球を頑張ることだと思う。集中して頑張りたい」。これまでと変わらず、ひたむきに野球に励むつもりでいる。

　１月に行われた契約更改会見では「将来的にメジャーリーグでプレーしたい」ときっぱり口にした。夢をかなえることが大切な人への恩返し。「一生懸命プレーして、自分の持っているパフォーマンスを発揮することが大事」。今季はより一層、結果を追い求める。