楽天・マー君が信頼を寄せるブルペン捕手 チームを知り尽くした大ベテラン46歳の〝考え〟とは

 春季キャンプの風物詩といえば、投手が次々とブルペン入りし、投球練習を行う風景だ。そんな慌ただしい現場を長く支える楽天・長坂健冶ブルペン捕手(46)がキャンプでの意識、思い出を振り返った。

 ブルペン捕手は朝、球場に入ると他のスタッフとともに練習の準備にとりかかることから、一日が始まる。アップが終わると投手とキャッチボール。そのままブルペンに入り球を受け続ける。

 昔に比べ、実戦の開始時期が早まったことから、毎日何百球と投げ込む投手は少ない。「数的にはそんなに捕っていない」と話すが、入れ替わりでブルペンに入る投手を相手にしているため、選手から1、2時間も遅れてランチに向かう姿は何度もあった。

 それでも「大変さは別に感じないですね。自分よりも選手の方が大変だと思う。ピッチャーが気持ち込めて投げてくれるボールを、しっかり気持ち込めて捕ることしか考えていない」。疲れた様子を一切見せず、選手と向き合い続けている。

 今キャンプでは、昨秋に右肘のクリーニング手術を受け、復活を目指す田中将のキャッチボール、投球練習の相手となっている。右腕が入団した時からチームに在籍していることもあり、厚い信頼を寄せられている。

 「僕のことをよくわかってもらってる。すごく信頼してます」と話す田中将。「健さんの仕事に対する姿勢だったりは、みんなわかっていると思う。プライベートで食事も行ったりしますし、支えていただいてます」と感謝しきりだ。

 仕事に対する姿勢-長坂ブルペン捕手にとって「自分たちができることを手伝って、選手の大変さが少しでも和らげばいいと思う」。投球練習が終われば、捕手の特守を手伝う。時には居残りの打撃練習で打ち込む選手に投げ込むこともある。

 それ故にこれまでのキャンプで、一番の思い出は捕ったことではなく投げたことだ。昨年現役を引退した銀次アンバサダーが若手だったころ、全体練習終了後に約2時間1対1で投げ続けた。「捕ることは(基本的に)同じなので、それが記憶に残ってます」。キャンプならではのエピソードを笑顔で語った。

 シーズンに向かう2月のキャンプは大事な時期になる。「ずっと変わらない人もいれば、新たなことに挑戦してる選手もいる」と受けるだけでなく、試合の映像チェックも欠かさず行い、投手の現状を把握。時に厳しい言葉をかけることもあるが、「見守る方が多いですね」と意識を明かしてくれた。

 開幕に向けては「ベストな状態で迎えられるように、サポートしていければなと思います」と話した長坂ブルペン捕手。チームを知り尽くした大ベテランが、これからも楽天のブルペンを支え続ける。(デイリースポーツ楽天担当・滋野航太)

 ◆長坂健冶(ながさか・けんじ)1977年10月29日生まれ。神奈川県出身。横浜商、横浜商大、社会人の日本IBM野洲を経て01年のドラフト8位で近鉄に入団。楽天では05年から3年間プレー。07年に現役を引退後、ブルペン捕手一筋。

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