青学大・常広142球完投星 さすが広島ドラ1 新井監督も絶賛「大事な試合で…タフだと思う」

 富士大打線相手に好投する常広
 7回、左前打を放ち喜ぶ青学大・常広(撮影・佐々木彰尚)
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 「明治神宮大会・大学の部・準決勝、富士大3-4青学大」(19日、神宮球場)

 広島からドラフト1位指名を受けた常広羽也斗投手(22)=青学大=が19日、明治神宮野球大会・大学の部、準決勝の富士大戦に先発。6安打3失点と苦しみながらも、142球、7奪三振の力投で完投勝利を収めた。高3以来となる公式戦の打席にも立ち、1安打1犠打とバットでも貢献。史上5校目の大学4冠(春、秋のリーグ戦、全日本大学選手権、明治神宮大会)王手に貢献した。

 粘られながらも、最後の打者をフォークで遊ゴロに仕留めると大きくほえた。常広が“鯉のドラ1”として上がる初の公式戦マウンドで3失点完投。142球の熱投でチームを4冠王手に導いた。

 「なかなかコントロールが定まらない中、要所でフォークボールを低めに集められたのが9回投げられたという結果につながったなと思います」

 初回から制球に苦しんだ。2点の先制点をもらった直後の四回に四死球が絡み失点するなど、この回までに4四死球を献上。しかしここから高い修正能力を見せる。六回にも四球で走者を背負うも3つのアウトは全て三振。「フォークを落としたいなと言うことでちょっと指に力を入れました。終わりも見えてきたというところで」とギアを入れ、流れを渡さなかった。

 三者凡退は七回と九回のみと決して本調子ではなかった。それでも試合をつくる能力はさすがドラ1だ。八回には大学の公式戦では2本目となる本塁打を浴び1点差に詰め寄られるも慌てない。140球を超えた九回に149キロを記録するなど「疲れたりとかはあんまりなかった」と無尽蔵のスタミナで投げ抜いた。

 東都大学リーグは指名打者制のため高3以来となる打席にも立った。「バッティングは好き」と語る右腕は第1打席で犠打、第3打席では左前へ安打を放つセンスの高さを披露。セ・リーグで良かったかと問われると「はい!」と即答し、笑顔を見せた。

 未来のエースの熱投に新井監督も賛辞を惜しまない。「大事な試合で142球投げて完投勝ちできるのはフィジカル的にもタフだし、メンタル的にもタフだと思う」と絶賛。「早く一緒にカープの一員としてプレーする日が来ることを楽しみにしています」と共闘を心待ちにする。

 20日の決勝はリリーフでの待機が濃厚。勝てば春秋リーグ戦、全日本選手権に続き4冠となる。「体力とかは全然、大丈夫。ちゃんと自分のボールが投げられるかというところで反省して臨みたいです」と連投へ意欲を見せた。大学でのかけがえのない4年間を最高の形で締めくくる。

 ◆常広 羽也斗(つねひろ・はやと)2001年9月18日生まれ、22歳。大分市出身。180センチ、73キロ。右投げ右打ち。投手。大分舞鶴、青学大を経て23年度ドラフトで広島から1位指名。豊府小3年から豊府少年野球団で野球を始め、南大分中では大分シニアでプレー。大分舞鶴では1年夏からベンチ入り。青学大では2年春にリーグ戦デビュー。優勝した今春の全日本大学選手権では最高殊勲選手賞と最優秀投手賞の2冠に輝いた。最速155キロ。50メートル走6秒2、遠投120メートル。

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