「ＳＭＢＣ日本シリーズ２０２３、阪神タイガース４－５オリックス・バファローズ」（３１日、甲子園球場）

　オリックスが僅差を守り切って阪神に連勝し、２勝１敗とした。先発の東は５回５安打１失点で役割を果たし、先発として育成出身投手が白星を挙げるのは球団史上初の快挙となった。

　序盤はオリックスペースだった。二回に１点こそ失ったが、打線が１点を追う四回にセンター左へ今シリーズ両軍初アーチとなる同点ソロを放った。「感触自体も悪くなかったですし、スタンドまで届いてくれて良かったです！」と左足甲の疲労骨折が完治しないままでの強行出場。それでも価値ある一発が打線に火をつけた。

　五回には広岡の遊ゴロ併殺崩れの間に勝ち越すと、１、２戦でノーヒットに終わっていた宗が今シリーズ初安打となる右中間２点適時二塁打を放った。六回には若月の犠飛で点差を広げた。

　しかし簡単には勝たせてくれないのがセ・リーグ王者の阪神。七回からマウンドに上がった山岡が連打と四球で満塁のピンチを背負うと、中野の一ゴロ間、森下の右前２点打で１点差に迫られてＫＯされた。

　それでも３月のＷＢＣで侍ジャパンの宇田川がピンチを切り抜けると、イニングをまたいだ八回には２死二塁からこの日３安打の木浪をフォークで空振り三振に仕留め、１点リードを守り切った。

　ブルペン陣で重要な役割を担ってきた山崎颯がこの試合ではベンチ外。試合前練習に参加し、マウンドの感触を確かめていたが、ブルペン陣から外れた。そんな窮地を救ったイニングまたぎの好投。九回は守護神の平野佳が得点圏に走者を背負うも無失点で締め、３９歳７カ月で日本シリーズ最年長セーブをマークした。

　初戦はエースの山本で大敗したが、第２戦は宮城の快投＆打線の奮起で「８－０返し」の大勝。第３戦も敵地で大勢の阪神ファンが大声援を送る中、厳しい戦いを強いられたが、２年連続日本一へ優位に立つ１勝をつかんだ。