「プロ野球ドラフト会議」（２６日、都内ホテル）

　ソフトバンクから１位指名を受けた前田悠伍投手（１８）＝大阪桐蔭＝は長い現役生活を送ること、再び日本代表のユニホームに袖を通すことを目標に掲げた。

　外れ１位ながら、日本ハム、楽天、ソフトバンクの３球団による競合となった。会場に部員たちの拍手が起こる中、前田は表情を崩さない。そして、くじを引き当てたのは若鷹軍団の小久保新監督。「素直にホッとしている気持ちとうれしさがあります」。少し頬が緩んだ。

　大阪桐蔭を選んだのも、プロ野球選手になるため。西谷監督は中学時代からほれ込み、「必ずドラフト１位で指名される選手にしないといけない」と育ててきた。入学時から技術は教えることがないほどの素質。だからこそ、新チームでは主将も任せ、人間としても成長させた。

　Ｕ１８Ｗ杯優勝を経験したが、夢の続きがある。「もう一度、日の丸を背負って戦うことが目標です」と左腕。そのためにも、高卒１年目から１軍で活躍。そして、チームメートとなる和田のように長く現役生活を送ることをプロとして最初の目標に掲げた。

　今季のソフトバンクは日本一奪還を目指しながら、屈辱の３位。来季は新たな指揮官の下で再スタートする。チーム再建へ、頼もしい高校Ｎｏ．１左腕が新風を巻き起こす。

　◆前田　悠伍（まえだ・ゆうご）２００５年８月４日生まれ、１８歳。滋賀県長浜市出身。１８０センチ、８０キロ。左投げ左打ち、投手。最速１４８キロでチェンジアップが武器。小学２年から高月野球スポーツ少年団で野球を始め、６年時にはオリックスジュニアに選出。高月中時代は湖北ボーイズでプレー。大阪桐蔭では１年秋からベンチ入り。３年夏は大阪大会決勝で敗れたが、Ｕ１８Ｗ杯では初優勝に貢献した。