慶応107年ぶり優勝の要因は?強力打線だけではない 最少失点で食い止める冷静沈着&組織的なディフェンス

 優勝した慶応ナイン(撮影・中田匡峻)
 8回、仙台育英・尾形(右)の打球に反応する慶応・小宅(撮影・北村雅宏)
 3回、仙台育英・斎藤陽(右)のゴロを捕球し、一塁ベースまで競争する慶応・鈴木(撮影・北村雅宏)
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 「全国高校野球選手権・決勝、慶応8-2仙台育英」(23日、甲子園球場)

 慶応が107年ぶり2度目となる夏の甲子園の頂点に立った。決勝で仙台育英の強力投手陣を撃破したようにシュアな打撃に目が向く一方、ディフェンス面でも慶応らしさが光った。

 森林監督は3回戦の広陵戦でタイブレークのゲームをモノにした後、「ウチが守備の時に目標にしていることの一つなので。ビッグイニングを作られると試合はかなり苦しくなるので。1点ずつ取られて同点まで行きましたけど、同点にされることは想定していたので。予定通りだなと思いながら終盤に臨みました」と語った。

 1点リードの七回1死二、三塁の場面。広陵・只石が放った打球は前進守備のショート・八木の前へ転がった。捕った瞬間、ホームは間違いなくクロスプレーになるタイミングだった。投げるか、それともあきらめて一塁か。その二択かと思われた瞬間、八木は三塁へ送球した。

 三塁走者に合わせてスタートを切っていた二塁走者を二、三塁間に挟んだ。1点を捨て、ランダウンプレーの末に、二塁走者をタッチアウトにした。打者走者は一塁に釘付けとなり、勝ち越しのランナーを得点圏から消して見せた。

 今大会、ビッグイニングを作られたのは初戦の北陸戦で4点を失った最終回のみ。沖縄尚学戦も四回にホームランで2点を失ったが、1イニング複数失点はわずかに2度しかない。

 あとは常に1点ずつにとどめ、相手に主導権を渡さなかった慶応。決勝でも内野ゴロ間の1点、バッテリーミスでの1点と仙台育英の攻撃を最小限で食い止めたことで主導権を渡さなかった。

 森林監督は優勝インタビューで涙を流しながら「全員のおかげです。100人を超える大所帯で甲子園のベンチは20人。その他にいろんな仕事があって、役割を全うしてくれたので。全員の勝利です」と語った。攻撃面だけでなく、ディフェンスも際立ったチームだった。

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