“広陵のボンズ”真鍋「こすって」左中間最深部3点二塁打 聖地初安打初打点で初戦突破導いた

 「全国高校野球選手権・2回戦、広陵8-3立正大淞南」(11日、甲子園球場)

 2回戦4試合が行われた。第2試合では広陵が、高校通算62本塁打の真鍋慧内野手(3年)が、夏の甲子園初安打と初打点を記録する2安打3打点の活躍を見せ、立正大淞南に逆転勝ち。歴代7位タイとなる春夏通算77勝目で、広島県勢夏120勝目(歴代9位のまま)となった。

 引っ張ったような打球だ。左中間への大飛球。左翼手が目測を誤っての3点適時二塁打も、流して甲子園の最深部に打ち返せるパワーが真鍋の魅力だ。

 「少しこすったけどヒットになって良かった」

 2点を奪い、勝ち越して迎えた六回2死満塁で低めの直球をはじき返した。今夏は本塁打への思いを封印し、勝利に導く打撃を徹底すると誓う。リードを広げた夏の甲子園初打点。喜びがあった。

 「内をどんどん攻めてくるかなと思っていたけど、1打席目が外だった。切り替えてやりました」

 花巻東・佐々木麟が初戦の宇部鴻城戦であったような内角攻めを予想したが、投球の中心は外角だった。夏の甲子園初安打となる左前打となった初回の打席で思考をチェンジ。「センター中心に打とう」。冷静な判断も成長の証しと言える。

 2安打3打点で勝利に貢献した。バックネット裏から視察した巨人の桑田ファーム総監督は「非常にスケールの大きな打者。逆方向にも大きな当たりを打てるので今後が楽しみ」とにっこり。長距離砲としての潜在能力の高さに目尻を下げた。

 広島大会準決勝前日には、広陵OBで阪神元監督の金本知憲氏からタイミングを早く取るよう直接指導を受けた。その助言を実践し、鉄人がまぶしい光を放った甲子園で目指すのは悲願の日本一だ。

 チームは歴代7位タイの春夏通算77勝に。「優勝することしか考えていない」と“広陵のボンズ”。高校通算62本塁打を誇るスラッガーの、頂を目指す戦いが始まった。

 ◆真鍋 慧(まなべ・けいた)2005年6月17日生まれ、18歳。広島県広島市出身。内野手。右投げ左打ち。189センチ、90キロ。小学1年でソフトボールを始め、中学時代は広島安芸リトルシニアに所属。広陵では1年夏からレギュラーを務める。高校通算62本塁打。愛称は“広陵のボンズ”。

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