ロッテ・佐々木朗 今季最多12K 5回89球ノーノー降板「もう少し投げたかった」
「ロッテ0-0ソフトバンク」(5日、ZOZOマリンスタジアム)
最大風速17メートルに達した強風にも、表情ひとつ変えなかった。ロッテ・佐々木朗希投手(21)が5回89球を無安打無失点。「無失点に抑えられたことはよかった」。試合後、吉井監督が「ちょっと指にマメができてしまったので」と説明したように予定よりも早い降板となったが、今季最多の12奪三振をマークした。
向かい風も“追い風”に変える。左翼からホーム方向に吹き続けた強風。その風はバックネット席で跳ね返り、マウンドに向かう。すると、右腕の変化球はさらにキレる。まさに鬼に金棒だった。
初回、先頭・中村晃に四球を与えたが、その後は無双状態。1死から近藤、柳田を三振。三回2死では中村晃に振り逃げで出塁を許したが、柳町を空振り三振に仕留め、打者4人から3三振を奪った。四回はクリーンアップを連続三振とした。
この日最速161キロの直球、風で曲がり幅が増したフォークやスライダーで12K。だが、五回を投げて降板となり「球数が増えてしまい、リズムよく投げられなかった。もう少し長いイニングを投げたかった」。好投の中にも課題を見つけた。
国旗横にこいのぼりがはためいた「こどもの日」。マウンドでは表情を引き締める右腕もまだ21歳だ。黒木投手コーチは「チームメートと一緒になってわちゃわちゃやってる。同期や先輩をいじったり、人の心をくすぐるところがある」。子どものように無邪気な一面でチームを和ませている。
大型連休真っただ中。午後10時を過ぎても繰り広げられる熱戦となったが、多くの子どもたちが訪れた。毎回のように記録を塗り替える“令和の怪物”。圧巻の投球で夢を届けた。