ロッテ・佐々木朗 自己最速165キロ4発 同点援護にギアチェンジ「気持ちを入れ直した」
「オリックス3-4ロッテ」(28日、京セラドーム大阪)
底知れぬ強さが数字になって表れる。ロッテ・佐々木朗希投手(21)が中盤以降に公式戦自己最速となる165キロを連発。疲れ知らずの豪腕が粘りの投球を披露し「試合展開も(先制を許したけど)追いついてもらった。勝ててよかった」と延長戦勝利を引き寄せた。
驚異の球速を何度もたたき出した。1度目は五回1死一塁、杉本に投じた初球だった。力いっぱい投げ込みファウルになると、「165」の文字がバックスクリーンに赤く光った。球場からはどよめきが起こった。
さらに六回2死での茶野への初球と、七回1死一塁の中川への2球目でも165キロをマーク。七回2死二塁で、森への死球となった3球目も165キロ。これで仰天の計4発だ。それでも右腕は「球速はばらばらなので気にしていない。バッターの反応を大事にしながら投げた」と、冷静に試合を運んだ。
序盤は制球がばらついた。初回1死から宗に右中間二塁打を許すと、2死二塁からは森に右翼線適時二塁打。今季初失点とし、開幕から20イニング連続無失点は途切れた。四回にも1死満塁から内野安打と犠飛でさらに2点を失った。
だが、五回の攻撃で野手陣の援護を受け「同点にしてもらったので。勝ち越しを許さないように、気持ちを入れ直した」。心強い味方の後押しが、五回以降のギアチェンジにつながった。
オープン戦も含め初のビジターだった。慣れない敵地だったが「試合の中で修正して、最後良い形で終われた。そこは次につながるかなと思います」。負けなしの怪物が、意地の投球を見せた。