中日・福留 現役ラス闘男泣き 立浪監督と抱擁…現役最終打席は二飛 阪神ファンにも感謝

 「中日3-9巨人」(23日、バンテリンドーム)

 大粒の涙で24年の現役生活に別れを告げた。中日・福留孝介外野手(45)が引退試合に臨み、九回から数々の好プレーでファンを沸かせた右翼の守備に就き、その裏の打席では二飛で現役最終打席を終えた。PL学園の先輩に当たる立浪監督と抱き合い、頬をぬらした背番号9。走攻守で球界をけん引した男が、静かにグラウンドを去った。

 九回表、慣れ親しんだ右翼の守備位置に就いた福留に大きな拍手が注がれた。目にいっぱいの涙を浮かべながら白球の行方を追った背番号9。天才打者と呼ばれた男のラストゲーム。現役最後となるNPB通算7969打席目は九回1死で迎えた。

 マウンドの鍬原に対し、初球の151キロを悠然と見送る。カウント1ボールからの2球目、149キロをフルスイングするも、打球は詰まって二塁後方への飛球に倒れた。その直後、ヘルメットを掲げてファンの拍手に応えた福留。ベンチ前でPL学園の先輩にあたる立浪監督と抱き合うと、大粒の涙が目からこぼれ落ちた。

 引退セレモニーでは8年間在籍した阪神について触れ「日本一のグラウンドで熱狂的なファンのもとでプレーさせていただいた。最後の甲子園ではライトスタンドから大きな福留コールをいただきました。一生の宝物です」と古巣のファンに感謝と惜別のメッセージを送った。

 「本当にファンのみなさん、ありがとうございました」と最後は深々と頭を下げて、ユニホームに別れを告げた。快足で鳴らし、パワーもある勝負強いバッティングに加えて、外野守備も一流。走攻守でアグレッシブなプレーを見せ、多くのファンを魅了したその姿を決して忘れない。

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