オリックス・能見「本当にやりきった」決断は昨オフ 支えてくれた人に感謝 晴れやか引退会見

 晴れ晴れとした表情で引退会見を行う能見(代表撮影)
 CSファーストS第2戦の7回、鈴木誠を三ゴロに仕留める能見=14年
 日本シリーズ第6戦の延長11回、村上を左飛に打ち取る能見=21年
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 ありがとう、能見さん-。オリックスの能見篤史投手兼任コーチ(43)が16日、京セラドーム大阪で引退会見を行った。球界最年長投手でもある左腕は「本当にやりきった」と晴れやかな表情。プロ18年間、支えてくれた人へ「声援をいただいて、人間として成長させてもらった。本当にありがとうございます」と感謝した。ホーム最終戦の30日・ロッテ戦(京セラ)で引退セレモニーが開かれる。

 終始、晴れやかな表情だった。涙はない。優しく、丁寧な言葉で思いを語った。能見が18年間の現役生活に別れを告げる。「本当にやりきった。振り返ってみると感謝しかないです」。人柄が詰まった引退会見だった。

 背番号26のユニホームを着て登場。43歳になっても、抜群のスタイルは変わらない。ただ、気持ちは年を追うごとに変わっていた。「選手が成長していく姿が非常にうれしかった」。兼任コーチという立場。昨オフに1年契約を結んだが、そこで今季限りでの引退の意思は、伝えていたという。

 自ら出した決断。「家族はどんな時でも味方というか、僕の気持ちを察してもらった」と一番に家族へ報告した。相談もしたが「僕の意思の方が強い」。最後は「本当にお疲れさま」と、ねぎらいの言葉をもらった。

 中嶋監督からは「本当に辞めるの!?もう少し、あがけ」と止められた。「まだ選手として見てくれてるのが、ビックリした」と言葉はうれしかったが、能見の決意は固かった。

 阪神で16年、オリックスで2年。本拠地の甲子園球場と京セラドームは「プロ野球で言うと、原点」と話す。両球団で優勝を経験し、記録にも記憶にも残るプレーで魅了してきた。

 能見も両チームでの印象深い一戦を思い返す。阪神時代については悩みながら、14年10月12日のCSファーストS・広島戦(甲子園)を挙げた。「声援のサポートもあって、いい投球ができた。すごく覚えています」。先発で8回無失点。球団初のCSファーストS突破に貢献した。

 オリックス時代は即答で昨季の日本シリーズ第6戦。延長十一回にヤクルト・村上を左飛に打ち取った場面だ。「大事なところだったので、すごい印象に残っています」。ほっと神戸が大きな拍手に包まれた。

 会見は中嶋監督も陰で見守った。山本や宮城、山岡もサプライズで花束を贈呈。誰からも愛された男が惜しまれながら、現役生活にピリオドを打つ。

 選手としてやり残したことはない。ただ、見ていない景色がある。「コーチとしての立場で言うなら、日本一は取っていない。取れるチャンスがあるので、そこが一番の目標かな」。現役最後の夢はイズムを継承した後輩たちとともに目指す。

 ◆能見篤史(のうみ・あつし)1979年5月28日生まれ、43歳。兵庫県出身。180センチ、74キロ。左投げ左打ち。投手。鳥取城北から大阪ガスを経て、2004年度ドラフト自由枠で阪神入団。プロ1年目の05年4月3日・ヤクルト戦(大阪ドーム)で初登板初先発。21年からオリックスで投手コーチを兼 任。最多奪三振(12年)。13 年WBC日本代表。

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