中日・福留が引退決意 メジャー挑戦、阪神入団を経て最後は古巣で終止符 近日中に会見へ
球界最年長の中日・福留孝介外野手(45)が7日、現役引退する考えを固めた。1999年に入団し、07年にMLBへ挑戦。帰国後、阪神で中軸を担い、昨季14年ぶりに古巣へ復帰した。今季は22試合の出場で23打数1安打、打率・043。心の声を聞き、球団と話し合い、プロ24年のキャリアに終止符を打つと決めた。近く会見して思いを打ち明ける。
福留はこの日、大汗を流して走っていた。雨を吸い込んだ芝生が太陽に照らされ、湿気に満ちたナゴヤ球場。ダッシュしてスパイクに履き替えてキャッチボール。ルーキー鵜飼の胸に放った。日常との違いは、引退を決めて臨んだ練習だったことだった。
プロ24年目の今季。中日入団時の「チームの精神的支柱」で、かつPL学園の先輩・立浪監督が就任した。「個人的な目標なんてない。チームとして何とか優勝争いに入っていく。そういうシーズンにできたらいい。新しいチームで、自分が少しでも手助けができるようにやっていきます」と目を輝かせていた。
だが6月中旬に出場選手登録を抹消され、2軍で調整を続ける日々。このままプレーし続けて指揮官の重荷になるのは避けたかった。今月上旬、球団首脳と話し合った。今後の振る舞いとして、おぼろげながら感じていた「引退」の輪郭がハッキリした。
中日で一流打者への階段を上がると、日本代表として06、09年のWBC連覇に貢献。06年、準決勝・韓国戦では代打で決勝2ランを放った。ここまで不振を極めていた中、スラッガーの意地を見せた一撃だった。
米挑戦を経て、阪神入団後は猛練習で勝負強い打撃と美しいスイングを取り戻し、中軸として活躍。長きに渡ってクリーンアップを担うだけでなく、練習姿勢や態度は若虎たちのお手本となり、アドバイスを送ることも惜しまなかった。
日米通算2450安打をマークした希代の強打者。近日中に会見が行われる予定で、球団は本拠地最終カードとなる23日からの巨人3連戦のいずれかで、セレモニーを実施する方向で調整が進められている。
◆福留孝介(ふくどめ・こうすけ)1977年4月26日生まれ、45歳。鹿児島県出身。182センチ、90キロ。右投げ左打ち。外野手。背番号9。今季推定年俸3000万円。PL学園から日本生命を経て、98年度ドラフト1位で中日入団。1年目の99年4月2日・広島戦(ナゴヤドーム)で初出場初先発(2番・遊撃)。首位打者2回、最高出塁率3回、MVP1回、ベストナイン4回、ゴールデングラブ賞5回。08年にFAでカブス移籍後、インディアンス、ホワイトソックスでプレー。13年に阪神で日本球界復帰。21年から中日在籍。96年アトランタ・04年アテネ五輪、06・09年WBC日本代表。




