「村上ゾーンができてきた」S村上の大活躍を識者分析「かつての王さん」をほうふつ

 令和初の三冠王に向けて着実に数字を伸ばしているヤクルト・村上。阪神、広島、オリックスなどでコーチを歴任したデイリースポーツ評論家・岡義朗氏は、村上のある特徴について指摘。「ボールの見逃し方というのは一つの技術要因ではあるんだけど、非常に良いよね」と評した。

 打率・341、51本塁打、打点125と主要3部門でトップに立ち、最多安打141本、最高出塁率・477も視界に捉える村上。一方で102四球もリーグ断トツとなっている。

 「あれだけ自信を持ってボールを見逃せるというのはね。『村上ゾーン』ができたんじゃないかな。かつては『王ボール』と言われて、王さんが手を出さなかった球はボールという時代があったんだけど。それくらい見極めがすごかった。村上もギリギリのゾーンに対して微動だにしないで見送るでしょ」と日本選手最多となる55号を放った伝説のスラッガーをほうふつとさせるという。

 それができる要素として「まずしっかりボールが呼び込めているというところ。その呼び込んだボールに対してヘッドが立ったまま出てくる。これは相当のスイングスピードがなければできないこと」と岡氏は分析する。さらに「ヤクルトというチームは野村さんの時代からある程度、配球の傾向を出した上で、狙い球とコースを絞ってくる。村上を見ていると内なら強く引っ張って、外なら流してスタンドに持って行く。低めならすくい上げる。そういうところを絞りながらやれるから、どのコースも満遍なく打っている印象」と語る。

 実際に共同通信デジタルで村上のチャート表を見ると、ストライクゾーンの9分割で2割5分未満のコースは皆無。トップは真ん中低めの・559で次に外角ベルトコースの・467、最も安打が出てない外角高めでも・250の成績だ。

 さらに球種別でもストレートは・399、全体的に最も打率が低いとされるフォークでも・218と1割台に抑えられている球種はない。「このコースに投げておけば、この球種を投げておけばというのは現状、村上に対しては見当たらない。そういう意味では他球団は走者がいない場面で本塁打さえ打たれなければOKの勝負をせざるをえない。安打ならOK、四球ならOKという形でね。それくらい抜けてるバッターになっているよね」と岡氏は分析した。

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