近江・山田 33年ぶりエースで4番満弾 投げては“怪物超え”で3季連続8強貢献

 「全国高校野球選手権・3回戦、近江7-1海星」(15日、甲子園球場)

 3回戦4試合が行われ、第4試合では近江(滋賀)は山田陽翔投手(3年)が満塁本塁打を放っただけでなく、7回1失点の投球で通算10勝目を挙げ、3季連続の8強入りを導いた。夏の大会でのエースで4番の満塁本塁打は33年ぶりで、通算奪三振数では江川卓や松坂大輔を抜く98奪三振となった。

 これが近江の大黒柱だ。七回2死満塁、山田の登場を告げるアナウンスで、スタンドに期待が充満する。仲間が作ったチャンスに応えないわけがない。こん身の力を白球に乗せた。値千金の満塁弾。一塁を回ると、右手の人さし指を力強く突き挙げた。

 「僕自身の力では、あんなホームランは打てない。甲子園が力を貸してくれたというのもあるんですけど、一番はスタンドからの応援だったり、球場が一丸となったんじゃないかなと思います」

 わずか1点のリードと苦しい展開だった。そんな中で飛び出した主将の一撃。4番・エースのグランドスラムは1989年の帝京・吉岡雄二以来、33年ぶりとなった。

 1点に抑えた投球も圧巻だった。七回2死一、二塁。一打同点のピンチを空振り三振で切り抜け、雄たけびを上げた。甲子園通算98個目の三振。2年夏から積み重ねた数字は江川卓、松坂大輔ら“怪物”を抜いた。「偉大な方々の記録を超えさせていただいたのはうれしいですが、まだ実感は湧かない」と思いを口にした。通算勝利数も阪神・藤浪らを抜き通算10勝となった。

 高校入学と共に増していった野球熱。父・斉さんは「どこまでもやるので、こっちから歯止めをかけてやらないといけなかった」と振り返る。朝から晩までトレーニングに励む姿に野球経験者の父も心配するほどだった。

 18日の準々決勝は「本当に素晴らしい選手」と話す、浅野がいる高松商と戦う。偶然にも多賀章仁監督(62)の誕生日で「監督に勝利をプレゼントするのが一番。ハッピーバースデーにしたい」。目標の日本一へ。目の前の相手を倒すだけだ。

 ◆満塁本塁打 近江の山田が3回戦の海星戦で記録。第101回大会の準々決勝で星稜の今井が記録して以来、大会史上53本目。

 ◆甲子園通算10勝 近年では15年夏に記録した平沼翔太(敦賀気比)らがおり歴代7位タイ。48年の学制改革後の最多勝利数は桑田真澄(PL学園)の20勝。石井毅(箕島)14勝、荒木大輔(早実)、三浦将明(横浜商)12勝、松坂大輔(横浜)、島袋洋奨(興南)11勝と続く。戦前の最多勝利は吉田正男(中京商)の22勝。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス