一関学院・村上海斗 天国の祖母を思い神奈川から岩手へ越境 聖地に戻り「いい姿を」

 「全国高校野球選手権・2回戦、明豊7-5一関学院」(12日、甲子園球場)

 「祖母に元気な姿を見せたい-」。出場の機会はなかったが、一関学院(岩手)村上海斗内野手(2年)は一塁ランナーコーチとして懸命に腕を回し、仲間を鼓舞した。「試合以外でもチームを支えることができた。甲子園という最高の舞台を目指し、来られてよかった」と胸を張った。

 神奈川県出身ながら進学先に選んだのは、岩手の一関学院。きっかけは2011年の東日本大震災と、宮城県気仙沼市に住む祖母・征子さんの存在だった。当時5歳だった村上は、震災後すぐに父と2人で大量の食料を車に積み、現地へ。幸いにも祖母の家は高台にあり、被害はほとんどなし。だが、道路に積み上がった高さ2メートルを越えるがれきを見て、ある決意が生まれた。母・美恵さんは「祖母の前で、東北で野球がやりたい」と、息子がよく口にしていたと明かす。

 しかし、入学を報告する前に祖母が他界。原動力を失い一時は落ち込んだが、進路は変えず「天国にもプレーを届けたい。いい選択ができたと報告したい」と前を向いた。

 まだ2年生。「来年は自分たちの代。先輩にも家族にも祖母にも、いい姿を見せたい」。目標は同校歴代最高となるベスト8だ。今度はグラウンドでのプレーでおばあちゃんに勇姿を-。必ず聖地に戻ってくる。

 ◆村上海斗(むらかみ・かいと)2005年12月20日生まれ。16歳。神奈川県大和市出身。175センチ、76キロ。右投げ右打ち。内野手。兄の影響で4歳から野球に触れ、小学1年生から緑野ボーイズで本格的に競技を始める。中学では横浜緑ボーイズに所属。一関学院では1年の秋からベンチ入りした。遠投90メートル、50メートル走6秒6。

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