初戦敗退の盈進 佐藤監督「全国舞台で“普通に”が足りなかった」 反撃7得点も

 「全国高校野球選手権・1回戦、鶴岡東12-7盈進」(7日、甲子園球場)

 1回戦4試合が行われ、48年ぶり出場の盈進(えいしん)は鶴岡東に7-12で敗れ、初戦で甲子園を去った。攻撃陣が粘りを見せるも5失策と守備のミスが響いた。ケガで県大会は先発を外れていた主将の朝生弦大外野手(3年)は「1番・右翼」でフル出場。無安打だったが、チームを支えた。夢は後輩たちに託す。

 黒土だらけのユニホームは、最後まで戦い抜いた勲章だ。朝生はベンチ前でこみ上げる涙を拭い、夢舞台を後にした。「広島県代表として甲子園に行かせてもらったのに、1勝できず申し訳ないです」と唇をかんだ。

 独特の雰囲気に序盤は浮き足立った。四回まで毎回失点を重ねて4失策。守備から流れをつかむ本来の姿が影を潜めた。佐藤康彦監督(48)は「全国舞台で“普通にする”というのが足りなかった」と振り返った。

 県大会は全7試合ベンチスタートだった朝生はフル出場。守備では飛球をダイビング捕球するなど、プレーで仲間を鼓舞した。小学生の頃、オリックス・山岡が瀬戸内のエースとして甲子園に出場した一戦を観戦したことは鮮明に覚えている。同じ広島代表として憧れのグラウンドに立ち「スタンドを見渡し、とてもうれしく思った」と実感を込めた。

 約半世紀ぶりに重い扉をこじ開けた選手たちの尊さは、変わらない。この日は指揮官の誕生日。ナインは朝食会場で歌を歌って祝福した。劣勢から7点を奪った粘り。「大きな壁を破ってくれた。壁の破り方、道の進み方を後輩に見せてくれたことは非常に大きな財産になっています」と佐藤監督は3年生の奮闘に感謝した。崩さなかったファイティングポーズは必ず、後輩たちに受け継がれていく。

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