大阪桐蔭 圧倒的!わずか1失点で大阪制覇 3度目の甲子園春夏連覇&初の3冠目指す
「高校野球大阪大会・決勝、大阪桐蔭7-0履正社」(30日、大阪シティ信用金庫スタジアム)
大阪大会で決勝が行われ、大阪桐蔭が投打で履正社を圧倒し、2年連続12度目の甲子園出場を決めた。プロ注目の2年生左腕・前田悠伍投手が、8回7安打無失点で7奪三振。打っても2安打2打点で優勝に貢献した。今夏の甲子園では、同校初の3冠(明治神宮大会、春夏の甲子園)と、2012年、18年に続く3度目の甲子園春夏連覇を目指す。
最強軍団がマウンド付近で歓喜の輪を作る。大阪桐蔭は圧倒的な強さで夏も一気に頂点まで駆け上がった。隙を一切見せない“横綱野球”で7-0の大勝。夏の甲子園切符を手にした西谷浩一監督(52)は「秋の神宮大会も勝ったので、秋、春、夏と3連覇に挑戦する権利を得た」と早くも次の山を見つめた。
優勝への立役者となったのは2年生左腕・前田だ。「絶対に1点もやらない、と最初から全力でいった。マウンドに立つ人がエースだと思っている」。これまでの最速を2キロ更新する148キロの直球にスライダー、チェンジアップを低めに集めて履正社打線に立ち向かった。
初回からエンジンは全開。テンポよくアウトを重ねて攻撃のリズムを作り、八回まで7安打を許したものの要所を締めて一度も本塁を踏ませなかった。
今大会で光ったのは投手陣の安定感だった。大阪大会の全7試合で失点は3回戦・関大北陽の1点のみ。その後はスコアボードにゼロを並べて46イニング連続無失点で締めくくった。「とにかく粘り強く投げていく」と前田。大会を前に投手陣で掲げたテーマを全員が全うした結果だ。
夏を前にチームを成長させたのが春季近畿大会決勝・智弁和歌山戦での敗戦だった。新チーム結成から伸ばしていた公式戦連勝は29で止まり、選手らは涙を流した。西谷監督は「子どもたちは勝ちたいんだというのを改めて感じた。『負けたことをプラスにしよう』と野球ノートに書いている子もいましたし」と初めて味わった悔しさが結束力を高めた。
甲子園では同校初の3冠(明治神宮大会、春夏の甲子園)と、史上初3度目の甲子園春夏連覇がかかる。さらに史上2校目となる全国4冠(3冠と国体)への挑戦権も得た。偉大な先輩らも成し遂げられなかった快挙を目指し、聖地へ乗り込む。
◆メモ 大阪桐蔭 春夏連覇2度達成。OBに西武の中村、森や楽天の浅村ら。
◆前田悠伍(まえだ・ゆうご)2005年8月4日生まれ。滋賀県長浜市出身。180センチ、78キロ。左投げ左打ち。小2から野球を始め、オリックスジュニアに選出。高月中時代は湖北ボーイズでプレーし、1年時にカル・リプケン12歳以下世界少年野球日本代表で世界一を経験。最速148キロ。球種はカーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシーム。