DeNA・牧と阪神・佐藤輝 鈴木打撃コーチが見た若き4番の資質

 記者の心に響いた話を取り上げる「番記者の心」-。DeNAの鈴木尚典打撃コーチ(50)が、1年目に新人特別賞を受賞し、2年目も4番として活躍する牧秀悟内野手(24)の人間性、野球に向き合う姿勢、4番の資質などを惜しみなく語った。また牧の同学年でライバルとも言える阪神の4番・佐藤輝明内野手(23)についても印象を明かした。

 牧の存在感はチームで際立っている。今季はここまで78試合、全て4番で出場し打率・282、17本塁打、59打点。今年から牧を指導する鈴木コーチは「普通にやったらこれぐらいの成績は残せる選手。本当にすごいチームに貢献してくれている」と語る。

 同コーチは秋季練習で視察に訪れた時から牧の実力、人間性を高く評価。春季キャンプでは他の選手とは違う牧の練習姿勢にほれ込んだという。

 「面白いなと思ったのはもう野球少年。小さい子どもが打撃練習しているような感じで、バッティングをしている。良いバッティングができたら喜んで、ミスショットをしたら『あー』って感じで一球一球、声を出して。それって本当に一球一球、集中して打っている証拠。純粋に野球をやっていますよ」

 1年目に好成績を残しても、おごりはない。純粋に野球を楽しみ、取り組む姿は野球人の鏡。喜怒哀楽を出しながら取り組む牧に「30歳になってもそういう打撃練習しろよ」と伝えたという。

 野球以外でも簡単にできそうで、できないことをやる選手だ。自身の成績が上がらない時でも、ベンチでは声を張り上げチームを鼓舞する。最下位に沈んだ昨年からあった光景で、鈴木コーチもその姿を見ている。

 「俺がレギュラーだった時と比べても、全く牧の方が上、人間的にも。俺は三振してベンチに帰ったら声なんか出せなかった。牧はすごい場面で三振や併殺打でも、帰って来て声を出しているから」

 鈴木コーチは「勝負強い」と4番の理由を語ったが、もう一つは昨年20試合を残し打率・287から、最終的に・314まで上昇したこと。「普通はあり得ない。目の前の1試合1打席を大切にしている人間ができること」。絶大な信頼を寄せる根拠は、技術だけでなく野球に対する姿勢があるからだ。

 牧のライバル的存在で、同学年の阪神・佐藤輝も2年目ながら4番として活躍。鈴木コーチは「飛距離は俺の世代だったら松井秀喜、ゴジラクラスの打球」と実力を認める。

 さらに「打席での立ち振る舞い、雰囲気は大卒2年目じゃなく何年もやってるような自信みたいなモノをすごく感じるし、あれはなかなか出せるモノじゃない。去年よりもスイングの軌道も良くなっている」。2人は異なったタイプだが、共通されるのは堂々と自信を持ってプレーしていることかもしれない。

 永遠偉大。必ず牧は何年たっても、今の姿を見せ続けてくれるはず。そして勝ちに飢えた男が、ここからさらにチームをけん引していく。(デイリースポーツ・中田匡峻)

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