楽天首位快走の原動力 「相手に嫌がられる」1番・西川のすごみとは

 開幕からここまで、17勝6敗1分けで貯金「11」。2位・ソフトバンクに4ゲーム差をつけ、楽天がパ・リーグ首位を快走している。そのチームを先頭に立ってけん引しているのが、今季新加入の西川遥輝外野手(30)だ。リードオフマンとして大活躍するキーワードは「相手に嫌がられる」-。データをもとにデイリースポーツ楽天担当・滋野航太記者がひもといた。

  ◇  ◇

 西川はとにかく相手にとって厄介な選手だ。ボール球には手を出さず、甘く入ればヒットや長打もある。塁に出せば足が速く、神経を使う。起用する石井監督にとっても心強い存在で、特に初回の先頭打者としての役割を評価している。

 「プレーボールがかかった最初のバッターはすごく大事で、ポンとアウトを取れると、ピッチャーはスタートしましたってリズムを作れる」

 指揮官ならではの投手目線で分析した上で「そこら辺がアウトになっても、出塁しても相手に(流れを)渡さないというところに優れたバッターだなと思います」。

 今季、全24試合に1番として出場している西川は、第1打席の出塁率が・541と驚異的な数字をたたき出している。ヒットだけでなく、四球を多く選んでいることも要因の一つだ。

 それを示すデータがボールゾーンスイング率。共同通信デジタルによると同率は14・2%と、12球団で100打席以上立っている選手の中では一番低い数字だ。「三振しない男」として定評があるオリックス・吉田正と並んで12球団トップの23四球を選ぶなど選球眼の良さが光る。

 相手バッテリーからすれば、不安定な立ち上がりに西川を打ち取ることは容易ではない。さらに現在、リーグ2位タイの7盗塁で過去に盗塁王を4度獲得している男が出塁すれば、必然的に相手にプレッシャーがかかる。相手を“疲弊”させた状態で得点圏に進み、クリーンアップに回すことで相乗効果も生まれている。

 3番を打つ浅村は「得点圏で回ってくるケースが多いので、自分が仕事をできることに喜びを感じる」と言う。4番・島内は「あまりにも(塁に)出過ぎるので喝ですね」と冗談交じりに明かした。

トップの25得点

 西川の得点数は12球団トップの「25」。さらに得点圏打率・500、5本塁打、22打点と勝負強さまで兼ね備える万能型リードオフマン。シーズン開幕前に「出塁率と得点にこだわる」と話していた背番号6が、新天地で首位快走の原動力となっている。

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