「阪神８－１０ヤクルト」（２５日、京セラドーム大阪）

　頼もしい助っ人が開幕戦からエンジン全開だ。ヤクルトのドミンゴ・サンタナ外野手（２９）がバットで魅せた。「素晴らしい１日でしたね、素晴らしいチームの勝利でした」。２本塁打を含む４安打５打点の大暴れ。最大７点差からの大逆転劇のヒーローとして、笑顔を見せた。

　チームを何度も救った。最大の見せ場は、同点に追いついた直後の九回。無死一塁で打席に入ると、カーブを強く振り抜いた。打球はバックスクリーンへの決勝弾。歓喜の声が響く中で、仲間とハイタッチを交わした。

　初回には先制打を放ったが、その後に投手陣が苦しみ最大７点差が開いた。それでも、八回にはバックスクリーンへの一発を放ち、味方を最後まで鼓舞。「２打席目は三振したので、そんな感覚ではなかった」と勝利直後でも、１打席しかない凡打を反省した。

　４年ぶりの開幕戦白星発進だ。この日の試合前ミーティングでは松元作戦コーチが声を上げたという。「どんな形でも、１年間諦めることがないように」－。最後まで諦めない姿勢を貫いた王者の意地。連覇への道が、劇勝で始まった。