オリックス・中嶋監督 開幕投手を“あえて”明言しない理由は選手を思ってのこと

 6回、降板後、ベンチで中嶋監督(右)と話す山本(撮影・飯室逸平)
 1回、阪神打線を無失点に抑えナインとタッチを交わす山本(撮影・田中太一)
5回、近本(5)を打ちとり、笑顔を見せる山本(撮影・飯室逸平)
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 「オープン戦、オリックス2-3阪神」(18日、京セラドーム大阪)

 オリックスの山本由伸投手が開幕投手の大本命であることは間違いない。この日は、開幕前最後の登板で5回2/3を投げ、5安打1失点。右腕も登板後のテレビインタビューで「また1週間しっかりと調整して、開幕戦に挑みたいと思います」と話した。

 ただ、中嶋監督は「開幕投手・山本」を明言することはなかった。「(調整を)任せた分があるし、本人がOKと言うなら、OKじゃないでしょうか」と決定的ではある。それでも明言しないのには、理由があった。

 「本当に何が起こるかわからないっていうのが非常に嫌な部分なんですよね。色んなことがあるじゃないですか。他のチームでも起こってることですし。そこに関して、動揺もしたくないですし。その時に万全と言うか、それだけじゃないですか」

 現時点で指揮官の頭の中で開幕投手が山本であることは、間違いないだろう。ただ、阪神で開幕投手を明言していた青柳が新型コロナ陽性となったように、コロナ禍で何が起きるかはわからない。あらゆることを想定しなくてはならないということだ。

 昨季はシーズン、東京五輪、日本シリーズと最後まで山本は投げ抜いた。見えない疲労があるかもしれない。「本人はそこに関しては大丈夫と絶対に言うでしょう。こちら側が非常に気にしていかないといけない部分。いけるんでしたら、いってもらいますし」と中嶋監督。コメントの端々から、選手、チームを思う気持ちが伝わってきた。このまま、開幕のマウンドに山本が上がることをチームの誰もが願っているはずだ。

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